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EqualLogicとEMCは対立しない――デルがストレージ戦略を発表

» 2008年02月28日 18時16分 公開
[伏見学,ITmedia]

 デルは2月28日、プレス向けにストレージ事業の戦略説明会を開いた。2007年11月に買収した米EqualLogicのストレージ製品のビジネス展開が焦点となった。

エンタープライズ・マーケティング本部の中島耕一郎本部長 エンタープライズ・マーケティング本部の中島耕一郎本部長

 デルは、既に「Dell EqualLogic」ブランドでiSCSI SAN(ストレージエリアネットワーク)アレイの新製品「Dell EqualLogic PS5000」シリーズを発売している。エンタープライズ・マーケティング本部の中島耕一郎本部長は、「速く」「安く」を目的に同社が提唱する「ITシンプル化」にEqualLogicの製品が最適だったと説明した。新製品の特徴は、自動化された管理機能、スケールアウトによる拡張性、追加費用が発生しない価格体系などである。中島氏は、「全体的にみると(iSCSIの)コストメリットは、ファイバチャネル(FC)対応のストレージを大きくしのぐ」と強調した。

 同社が既に販売するFCストレージ製品(Dell|EMCブランド)との競合性はどうか。同ストレージブランドマネジャーの矢部聖一氏は「対立せず両輪で進んでいく」と断言した。「Dell EqualLogicは、設定や管理を自動化できエントリーユーザーでも容易に導入できる。一方でDELL|EMCは、アプリケーションに対し最大限のパフォーマンスと技術を与えるプロ仕様の製品」(矢部氏)という。新製品のポートフォリオは、エントリーレベルFCの「AX」シリーズとエンタープライズFCの「CX」シリーズの間に位置する(下図参照)。

ストレージ製品のポートフォリオ ストレージ製品のポートフォリオ

 「デルとしては、EqualLogicとEMCのどちらか一方に注力することはなく、顧客の状況に応じて提案していく。顧客の選択肢を広げることが重要」(中島氏)

 新製品の価格は、ディスクドライブのタイプ、容量、回転数などが基準となる。PS5000E SATAモデルは817万9800円から、PS5000X SASモデルは1367万9800円、PS5000XV SASモデルは1125万9800円から。

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