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MicrosoftのYahoo!買収提案、3カ月で幕

» 2008年05月04日 10時24分 公開
[ITmedia]

 Microsoftは5月3日、Yahoo!に対する買収提案を取り下げ、敵対的買収を行わない旨を公式に明らかにした。これで、2月1日の突然の買収提案で業界を激震させた巨大買収劇が不成功という形で終結した。

 Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは自社の買収提案はMicrosoft、Yahoo!、市場にとってよいものだったとしながらも「提案金額を50億ドル増やすという最大限の譲歩をもってしてもYahoo!は受け入れようとしなかった。慎重に考慮した結果、Yahoo!からの要求金額は当社にとって受け入れられるものではなく、当社の株主、従業員、当社顧客や取引先にとっては、提案を取り下げることが最大限の利益になる」と説明している。

 MicrosoftとYahoo!は5月2日に最終的な話し合いを行なっており、そのときに買収金額を引き上げる提案がなされたという記事がWall Street Journalに掲載された(翻訳記事)。一方、4月23日に、バルマーCEOが「Yahoo!を買収しなくても前進できる」という発言をしている。

 バルマーCEOは今回の発表の中で、「Yahoo!が買収できていれば当社の戦略は加速しただろうが、当社は引き続きゴールに向かって進んでいくことができる」と改めて述べた。

 Microsoftはバルマー氏からYahoo!のジェリー・ヤンCEOにあてた、買収提案をあきらめる旨の手紙を発表文に掲載している。

 Yahoo!はMicrosoftからの提案に反発するようにGoogleに接近し、検索広告におけるテストを実施AOL買収の憶測も生まれるなど、MSの買収提案がもたらした検索、ポータル、SNSなどをめぐる再編の動きはしばらく続きそうだ。

balmer バルマーCEOからヤンCEOへの手紙(全文)

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