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ソニー、08年度ゲーム事業は通期で黒字化へ PS3は1000万台計画

» 2008年05月14日 19時38分 公開
[ITmedia]

 ソニーは5月14日、2008年度(2009年3月期)のゲーム事業が通期で営業黒字に転換する見通しだと発表した。07年度は通期では赤字だったが、下半期に黒字転換。今年度は「プレイステーション 3」(PS3)ビジネスが黒字化し、損益は大幅に改善する見込みだ。

photo 決算説明会資料より

 同日発表した07年度連結決算(米国会計基準)によると、ゲーム事業は売上高が前年度比26.3%増の1兆2842億円だったのに対し、営業損益は1245億円の赤字だった。ただ、PS3ハードのコスト改善とPSPの売り上げ拡大が寄与し、全体では損益は改善。営業損益は下期に黒字転換し、赤字額は前年度から1078億円改善した。

 PS3ハードの売り上げ台数は2.6倍の924万台。ソフト不足から上半期は苦戦したが、下半期には700万台を売り上げた。ソフトも5790万本と4.4倍に拡大した。

 PSPは46%増の1389万台。上半期は計画を下回ったが、薄型化した新機種が世界的にヒットした。ソフトは1%増と横ばいの5550万本。

 PS2は7%減の1373万台にとどまったが、東欧・中欧・アジアではプラス成長。ソフトも20%減ながら、1億5400万本とボリュームは大きく、発売から8年たった現在でもゲーム事業の収益に大きく貢献している。

  • ハードウェアの売り上げ台数(万台、同社は07年度から、従来の「生産出荷台数」から売り上げ台数に変更している)
  06年度 07年度 08年度見通し
PS2 1471 1373 900
PSP 953 1389 1500
PS3 361 924 1000
photo

 今年度のPS3ハード売り上げ見通しは1000万台。前年度実績からの伸び率は8%にとどまるが、「累計1200万台を販売し、PS3もそれなりのプラットフォームに育ってきた。今年度はネットワーク関連サービスの投資などを行い、やたらに数を追わない方針だ」(大根田伸行CFO)。「PS3は価格弾力性が低い。値下げの数量への影響はPS1やPS2と比べてあまり大きくない」として当面の値下げには否定的だ。PS3ハードのコストと価格の逆ざやは続く見通しだが、ソフトと合わせたPS3ビジネス全体では黒字化を見込む。

 今年度のゲーム事業全体では、PS2ビジネスの縮小で全体では減収を見込むが、PS3ビジネスの黒字化などから、営業黒字への転換を見込んでいる。同社はセグメント別の業績予想数値は開示していない。

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