ソニーは1月31日の2007年10〜12月期(第3四半期:3Q)連結決算(米国会計基準)で、ゲーム事業が営業黒字に転換したと発表した。低価格品を投入したプレイステーション 3(PS3)が年末商戦で巻き返し、同期中に490万台(前年同期は166万台)販売。PS3の製造コスト削減で、損益が大幅に改善した。
ゲーム事業の売上高は5812億円(前年同期比31.2%増)、営業利益は129億円(前年同期は542億円の損失)。売上高の4分の3をPS3、PSP(プレイステーション・ポータブル)、PS2(プレイステーション 2)といったハードや周辺機器が、残りをソフトが占める。
PS3は11月に3万9980円の低価格モデルを発売し、既存モデルも値下げた。「新モデルが好調で売り上げに貢献し、製造コスト削減で営業損益も改善した」と同社の大根田伸行CFOは話す。ソフトは前年同期(530万本)の約4倍・2600万本売り上げた。
PSPは07年9月に発売した新モデルが好調で、同22%増の576万台販売し、四半期ベースの販売台数は過去最高。ソフトは同14%減の1830万本だった。
PS2は「アジアや東欧、中東で前年を上回る勢いで売れている」(大根田CFO)という。ハード販売台数は同20%減の540万台、ソフトは同23%減の6090万本。
PS3は価格に対してコストが上回る逆ざやの状態が続いているが、「今の価格のままでいくとすれば、来期後半のどこかでブレイクイーブンに達し、逆ざやを解消できるだろう」と大根田CFOは言う。
年末商戦は好調だったが「上期の出遅れをカバーできなかった」とし、通期のPS3販売目標は150万台引き下げ、950万台に下方修正した。
PSP、PS2の通期目標は引き上げる。PSPが300万台上乗せして1300万台、PS2が100万台上乗せして1300万台。
ゲーム事業の黒字化は、3Qが年末商戦期を含む最大の商戦期だったためという要因もある。大根田CFOは「4Qは黒字化は難しいかもしれない」とし、通期の損益はとんとんを見込んでいる。
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