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「カーボンナノチューブでも中皮腫」――アスベスト同様との論文

新素材として期待がかかるカーボンナノチューブが、肺がんなどを引き起こすアスベストと同様に作用するという研究結果が発表された。
2008年05月21日 08時14分 更新

 ナノ素材として期待がかかるカーボンナノチューブだが、ある種のチューブを吸引した場合、アスベスト(石綿)と同様に作用し、悪性中皮腫を引き起こす可能性がある――英・米の研究者らが5月20日、このような研究結果を発表した。

 長繊維状のカーボンナノチューブは、構造がアスベストファイバーの構造と似ているだけでなく、その作用も酷似しているという結果が出たという。

 英エディンバラ大学のケネス・ドナルドソン教授らは、長繊維状と短繊維状のカーボンナノチューブ、長繊維状と短繊維状のアスベストファイバーを、それぞれマウスの腹腔に注入した。その結果、長繊維状のカーボンナノチューブは、長繊維状のアスベストファイバーと同様の作用を示した。長繊維状のアスベストファイバーは肺に深く浸透し、長さがあるために肺の自浄作用で除去することができず、肺がんや悪性中皮腫を引き起こしてしまう。

 ただし、大気中のカーボンナノチューブが吸入可能かどうか、吸入された場合肺まで届くかどうかなどは分かっていない。また短繊維状のチューブや湾曲したチューブにはアスベストのような働きは確認できなかった。研究者らは、カーボンナノチューブの安全性について、今後さらに研究が必要だとしている。

 約20年前に発見されたカーボンナノチューブは、プラスチックのように軽量で鋼鉄のように強靭なことから、新薬や電池、エレクトロニクスなどさまざまな分野で活用されている。しかし発見当初から、ナノチューブの安全性を懸念する声があった。Chemical & Engineering Newsによると、カーボンナノチューブ市場は向こう4〜7年で、20億ドル規模に達する見通しという。

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