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「地デジに補償金不要」8割――JEITAがアンケート

» 2008年05月28日 19時38分 公開
[ITmedia]

 「地上デジタル放送は自由にコピーできないので、補償金を払う必要がない」は78.4%、「デジタル携帯オーディオプレーヤーに補償金を課すことに反対」は85%――電子情報技術産業協会(JEITA)は5月28日、私的録音録画補償金について、録音録画機器のユーザーにアンケート調査した結果を公表した。

 JEITAはこれまで、補償金について議論する「私的録音録画小委員会」(文化庁長官の諮問機関、文化審議会著作権分科会傘下)などで、「地上デジタル放送機器や、デジタル携帯オーディオプレーヤーに補償金を課すべきではない」と主張し、「補償金を課すべき」とする権利者側と対立してきた。

 アンケート結果は、JEITAの意見に沿う内容。これを公表することで、「合意間近だった補償金に関する議論がメーカーの強硬な反対で振り出しに戻り、ダビング10の予定通りの開始を遅らせている」という批判をかわす狙いもありそうだ(権利者側「メーカーが議論を振り出しに戻した」 「ダビング10延期」問題で会見へ)。

「地デジ放送に補償金は不要」78.4%

 4月18日から21日にかけてネットで調査した。録音に関するアンケートは、12歳以上のデジタル携帯オーディオプレーヤー保有者500人に、録画も12歳以上のデジタル録画機器保有者500人に聞いた。

 録画に関するアンケートでは、「DVDレコーダーにテレビ放送をデジタル録画している」人は84.2%、「していない」は15.8%だった。

 テレビ放送をデジタル録画している人に、録画の目的を尋ねたところ、最も多かったのは「放送時間に見られないので後で見るため」(55.56%)。次いで「後日何度も見たり、ライブラリーにするなど、長期間保存のため」(16.14%)、「同じ時間帯に見たい番組が重複していたため」(13.91%)だった。JEITAは「上位の3つを合計した約70%は、タイムシフトのための録画だ」とする。

 「過去1年間、録画しそびれたテレビ番組がビデオ・DVDなどパッケージ商品として販売されている場合、購入したことがあるか」という質問には、83.6%が「購入していない」と答えた。「録画しそびれたことが、すぐにパッケージ商品の購買動機につながっているわけではないことがうかがえる」(JEITA)

画像 地上デジタル放送に私的録画補償金を支払うことについて

 「地上デジタル放送に、コピーワンスやダビング10といったコピー制限が課された状況で、引き続き権利者にアナログ放送時代と同様に、私的録画補償金を支払うことについてどうか」という質問に対し、78.4%が「自由に複製できないので補償金は払う必要がない」、21.8%が「補償金を支払うべき」と答えた。

「デジタル携帯オーディオプレーヤーに補償金は不要」85%

 デジタル携帯オーディオプレーヤーに保存されている楽曲の録音源でもっとも多かったのは、「自分や家族が持っている市販CD、市販の録音済みMD・テープ」(34.91%)。次いで「レンタルショップから借りたCDからの録音」(32.43%)、「インターネットの有料音楽配信サービスからの録音」(8.25%)だった。

 JEITAは「レンタルCDや購入CDの対価に私的録音の対価が含まれていれば、保存されている音楽のほとんどに対して、私的録音対価が支払い済みとなる」と指摘する。

画像 デジタル携帯オーディオプレーヤーに補償金をかけるべきか

 「音楽CDに対して、購入代金を支払ったり、レンタル料金を支払っているのに、さらにデジタル携帯オーディオプレーヤーに補償金をかけるべきか」という質問には、85%が「補償金をかけるべきではない」と答えた。

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