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手に持って楽しめる3Dディスプレイ 新コンセプトのキューブ型、NICTが開発

» 2008年06月10日 07時00分 公開
[ITmedia]
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 独立行政法人・情報通信研究機構(NICT)は6月9日、手に持ちながら立体映像を楽しめるというキューブ型の3Dディスプレイを開発したと発表した。ディスプレイを手に持ちながら、複数の人がそれぞれの方向から立体映像を体感できるという。教育分野やゲームなど、新しいコミュニケーションツールとしての利用が期待できるとしている。

 新ディスプレイは約10センチ四方で、「gCubik」と名付けた。液晶ディスプレイとレンズ板の組を1つの面として、キューブ型に組み合わせた。さまざまな角度から観察した映像を液晶ディスプレイで表示しており、レンズ板の効果で、観察者には観察の方向に対応した適切な映像のみが見えるようになっているという。このため、あたかもキューブの中に納まった立体物を観察するかのように立体視が可能になっている。

photo アヒルのおもちゃを横から観察した例

 「インテグラルフォトグラフィー」技術を応用した。複眼レンズで撮影した画像を複眼レンズを通して観察することで、視差を左右方向に加え上下方向にも再現し、自然な立体視を可能にする。同技術を活用した立体ディスプレイの研究も進んでいるが、手に持って楽しめる小型装置はなかったという。

 今回開発したディスプレイは3面を実装した。今後、6面の実装やワイヤレス化、画質の改善などをはかり、3年以内の実用化を目指す。

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