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「iPodに補償金」9割が反対 MIAUの調査、「ネット先進ユーザーの意見」

» 2008年06月13日 15時35分 公開
[ITmedia]

 MIAU(Movements for Internet Active Users:インターネット先進ユーザーの会)はこのほど、「ダビング10」と私的録音録画補償金に関するWebアンケート結果を発表した。9割以上が、携帯オーディオプレーヤーやHDDレコーダーに私的録音録画補償金を課すことに反対している、という結果だ。

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 5月18日から5月30日までMIAUのサイト上で調査し、5870人が回答した。男性が96.7%で、年齢別では20〜30代が77.4%とサンプルに偏りがあり「インターネットの先進ユーザーの意見として公開する」としている。

 携帯オーディオプレーヤーに補償金を課すことに反対しているユーザーは93%、HDDレコーダーに補償金を課すことに反対しているユーザーは94.1%だった。

画像 携帯オーディオプレーヤーへの課金に反対する理由

 携帯オーディオプレーヤーへの課金に反対する理由は「購入したCDやダウンロードした楽曲を聞いているから、権利者の被害はない」(54.4%)、「補償金が最終的に誰にどれくらい配分されているのか分からないのが不満」(16.8%)といった意見が多かった。

 携帯オーディオプレーヤーに入れている楽曲については、62.7%が「自分か家族が購入したCDから取り込んだ楽曲と、ダウンロード購入した楽曲が8割以上」と答えた。


画像 HDDレコーダーへの課金に反対する理由

 HDDレコーダーへの課金に反対する理由は「地上放送は広告モデルの無料放送で、放送時点で収支はクリアされているから、いくら録画されても著作権者には経済的な打撃は少ないはず」(30.9%)、「アナログ放送とは違い、地上デジタル放送にはコピーワンス、ダビング10などのコピー制御が行われているので、補償金まで支払う必要はない」(24%)といった意見が多かった。

 MIAUは「ユーザーは地上波テレビ放送について、私的なコピーによって権利者が経済的な被害をこうむるとは考えていない。すでにコピー制御をかけているのに、それ以上補償金を求めるということについて違和感があるようだ」とコメントしている。


画像 コピー制限と補償金制度のあり方

 コピー制限と補償金制度のあり方についても聞いた。33.9%が「コピーを自由にできるようにする代わりに、補償金が課金されても良い」と回答。「補償金は無しで、コピーも自由にできる方が良い」(40.5%)と答えた人も多かった。

 権利者側がダビング10を始める前提として、HDDレコーダーへの補償金課金が必要だと主張している点について、権利者の主張に賛成するユーザーは7.3%。23.8%が「ダビング10と補償金をセットで導入するくらいなら、コピーワンスのままで良い」と回答。68.9%は「そもそもHDDレコーダーは購入しない」と答えた。

「補償金の配分には透明性が望まれている」

画像 補償金の配分方法

 補償金の配分方法に関する意見も調査したところ、配分の基準や配分額を明らかにすることを求めているユーザーが多かった。

 「権利者団体を通さず、権利者個人に配分の基準を明らかにして直接配分できる仕組みを作り、配分額も明らかにする」という意見が最も多く50.2%、次いで「権利者団体が、配分の基準を明らかにして配分し、誰にどれだけ配分されたかを公表する」が33.9%だった。

 MIAUは「回答者は、補償金の配分方法について不満を抱いており、このことも補償金が課せられることへの反対につながっている」と指摘。「補償金の配分基準と最終配分額の公表について改善されないことには、携帯オーディオプレーヤーとHDDレコーダへの課金にユーザーが賛同することはできないのでは」としている。

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