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» 2008年06月20日 11時09分 UPDATE

「学校裏サイト」管理人に聞く(中):報道が「学校裏サイト」を増やした 削除依頼の実態は (1/2)

「学校裏サイト問題が報道されると、裏サイトが増える」と管理人は打ち明ける。同時に、裏サイトの書き込みへの削除依頼も増えるという。

[岡田有花,ITmedia]

裏サイト報道で、削除依頼が増えた

――学校裏サイトスレッドが多く立っている「2ちゃんねる2」(2ch2)上の掲示板「裏2ちゃんねる」(裏2ch)ですが、どのように管理しているのでしょうか。

矢野:2ch2の掲示板は、基本的には開設した管理人が管理することになっています。ですが、管理人不在の掲示板などは僕が管理を一時的に代行することもあります。

 裏2chは管理人不在になっているので、僕が管理しています。電話番号とメールアドレスを公開し、電話とメールで削除依頼を受け付けています。

 掲示板では削除受け付けをしていません。以前掲示板上で受け付けたらものすごい数が来て、どこに依頼内容があるのか管理側でも把握できない状況になったので、一括してメールと電話で受け付けるようにしています。

画像 矢野さんのメーラーには削除依頼メールが殺到している

 「学校裏サイト」がメディアで騒がれるようになってから、ここ1年で一気に削除依頼が増えました。今年3月ぐらいから急に増えて。裏サイトに関するニュースが出ると、電話が一気にかかってきます。毎日のようにかかってくることもあります。

 依頼してくるのは警察や学校の先生、生徒、親、インターネット・ホットラインセンター(ネット上の違法・有害情報の通報受付窓口)などです。

 削除依頼は、裏サイトがテレビなどでニュースに出た時に、一気に集中して来ます。多い時は毎日のように来ることがあります。話題にならないときは収まったり。昔は依頼の内容を詳細に見て削除していましたが、今は依頼が来た時点で削除しています。

親や警察にアドバイスも

 削除依頼にはメールでも対応しますし、電話対応も多いです。学校の先生や親はメールに不慣れだから、電話対応のほうがスムーズにやりとりできるというのもありますし、僕は電話のほうがモチベーションが上がるタイプ。お話できて、かつ、「そういう場合はこうして」というアドバイスをすることで、感謝してもらえることもあったりするのがうれしいです。

画像 矢野さん

 電話は親とか学校、警察からかかってきます。親御さんは、学校裏サイトのニュースを見て気になり、調べてみたら子どもが出ていてショックを受けたり、学校から「裏サイトに注意して」と指導されて、子どもに関わる書き込みを見つけることもあるようです。親御さんから電話がかかってきた時は、発信元の開示請求の方法を説明することもあります。

 学校によっては、問題がある書き込みを見つけると、警察に相談した上で、ISPに発信者情報を問い合わせて書き込みをした本人を割り出す、ということもやっているようです。本人を見つけても即逮捕ではなく、指導は学校や親に任せたりしていると聞いています。

――ミルクカフェはどうでしょう

古川:ミルクカフェは僕が直接管理していて、生徒の情報は一切書かせない、などルールがあります。個人名はすぐに削除されますし、イニシャルも削除されます。

 当初、掲示板内で削除依頼を受け付けていて、増えてきたので削除依頼専用掲示板を作り、その後ルールが必要だということでルールを作りました。今は5人ぐらいのユーザーボランティアがいて、削除依頼を受けて削除したり、依頼がなくても、生徒個人に対する書き込みなどはすぐに削除されています。

 削除依頼は、高校生が増えた時や、携帯電話に対応した時に増えました。依頼をしてくるのは、自主的に巡回しているボランティアさんや、中学校や高校の先生など。月に4、5回くらいですね。警察からもありますが、最近は減って、今は3カ月に1回ぐらいかな。

 生徒に対する書き込みはすぐに削除してしまうから、そういう話をしたいユーザーはほかの掲示板に移っています。「ミルクカフェを使わなくても、自分たちで掲示板を立ち上げて自由に書けばいい」ってぐらいリテラシーは上がっていると思います。

 「学校サイトがミルクカフェにあるうちは個人名削除されるけどほかにいったら対応してもらえないからスレッドごと削除は困る」というややこしい削除依頼メールももらったことがある。2ちゃんねるが生き残ってるのは多分そこで、まだコントロールがきく。海外のサーバとかでやられると困るでしょうね。

矢野:ミルクカフェ、いいサイトだよね。管理もしっかりしてるし。

古川:荒れることもありますが、ボランティアが対応できるレベルで、問題のある書き込みはすぐに削除されます。それなのに、何でそんなに「学校裏サイト」と書かれてしまうのか。

矢野:公式サイトじゃない学校サイトという意味では“裏”サイトなんだけど、最近言われている、中傷のために作られた「裏サイト」ではないよね。一緒になっちゃってる気がするけれど。

――「裏サイト」と呼ばれ始めたのはいつごろでしょうか

古川:報道が盛り上がり始めた去年ぐらいですかねぇ。

報道で裏サイトが増えた

――最近の報道の盛り上がりについてどう感じていますか。

矢野:テレビやネットの過激な報道の影響もあるのかな。すこし過剰反応しすぎな傾向もあるとは思います。今までなら軽くスルーされて、誰も見なくて問題にもならなかったような書き込みにものすごく反応して、見つかるようになったことでさらに目立って、問題に発展するまでになった。

古川:裏サイト報道を見て、裏サイトを作ろうと思った人は多いだろうな、というのはありますね。

画像 「裏2ちゃんねる」上のスレッド。学校裏サイトで埋まっている

矢野:報道が盛り上がって以来、裏2chの学校裏サイトは確実に増えています。07年の時点では裏2chは裏サイト専用ではなく、それ以外の普通の内容も多かったけれど、今裏2chのスレッドはほとんど学校裏サイトで埋まっています。

矢野:Yahoo!JAPANトップに裏サイト関連の情報が載ったときにも2ch2がリンクされ、アクセスが増え、学校裏サイトが増えました。同時に削除依頼も増えたので、プラマイゼロか……いやプラスですね。裏サイトがあって、悪いことが書かれていると知った後、削除されて、クリーンになるのではなく、その存在を知って悪い書き込みをサイトにする人の予備軍ができて、別の所に飛び火する。

古川:自殺の手段と同じですよね。あれが報道されるとその方法で調べてくる人がすごく多い。そんなマニアックな死に方以外にも首つりみたいなメジャーなのもあるのに、マニアックなのが取り上げられて騒ぐと良くないよね。

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