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» 2008年06月26日 11時00分 UPDATE

点字でカラオケを──歌詞をリアルタイムに表示 エクシングなど開発

カラオケの歌詞を点字ディスプレイでリアルタイム表示するシステムをエクシングなどが開発した。テレビ画面を読めない視覚障害者にカラオケを気軽に楽しんでもらえると期待している。

[宮本真希,ITmedia]
画像 手前の青い端末が点字ディスプレイ「清華」

 曲に合わせて歌詞を点字で表示するカラオケシステムを、通信カラオケ「JOYSOUND」を展開するエクシングなどが開発した。テレビモニターに表示された歌詞を読めない視覚障害者に気軽にカラオケを楽しんでもらえると期待する。今秋にも発売する計画で、カラオケボックスや盲学校などでの需要を見込んでいる。

 視覚障害者がカラオケを楽しむ際は、あらかじめ歌詞を覚えておくか、点字の歌詞カードを持参することが多かった。新システムは、通信カラオケの歌詞データをリアルタイムで点字に変換し、点字ディスプレイで表示。制作に時間がかかる歌詞カードでは用意が難しい、最新のヒット曲の歌詞も表示でき、楽しみの幅が広がる。

 歌詞をリアルタイムに点字表示するために、システムを共同開発した日本テレソフトの「清華」(せいか)という点字ディスプレイを使う。点字1文字を8つの突起の上下で表現する仕組みで、USB接続したPCからのデータに応じて点字を表示できる。

 新開発した専用ソフトをインストールしたPCと、エクシングの通信カラオケ機をLANケーブルで接続。カラオケ機から歌詞データを転送すると、専用ソフトが歌詞データを点字データに変換し、曲に合わせて点字ディスプレイに表示する。歌う人は、点字ディスプレイを指でなぞって歌詞を読み取る。

 点字ディスプレイは一度に最大40文字分の点字を表示する。表示はテレビモニター画面の表示と同様、曲より少し早いタイミングで切り替わる。点字ディスプレイを複数台使えば同じ曲の歌詞を複数の人で同時に読み取ることも可能で、デュエット曲などでも使える。

画像 点字ディスプレイ「清華」

 点字では漢字を表現できないため、歌詞に出てくる漢字は、自動で読みに変換して表示する。ただ、歌詞独特の読み方――「本気」を「マジ」、「女」を「ひと」――などは手作業で入力して辞書に蓄積している。辞書はまだ不十分で、例えば「秋桜」(コスモス)は「あきざくら」と読んでしまう状態。商品化までに精度を高めたいとしている。

 アルファベットの表示も可能で、日本語とアルファベットが混じった歌詞の場合は、切り替わることを示す「符号符」という点字を歌詞の途中に挟むようにしている。

スティービー・ワンダーも歌った

画像 点字ディスプレイの突起が出る穴。8つの穴から盛り上がる突起の組み合わせで、点字を表現する

 視覚障害者がカラオケ店で歌詞を確認したい場合、点字の歌詞カードを持参することが多いという。点字歌詞集を置いている店もあるが、コストが高い上、すぐに壊れてしまって長持ちしないといったこともあり、普及が進んでいないという。

 点字プリンタや点字ディスプレイなどを開発・販売する日本テレソフトは、そんな現状を視覚障害者から聞き、エクシングに点字カラオケシステムの共同開発を打診。今年1月から開発を進めてきた。

 システムを試した視覚障害者からは「こんなカラオケを待ってた」「今まで歌えなかった曲も歌えるし、みんなで楽しめてうれしい」といった感想をもらったという。

 同社が3月に米国で開いた障害者支援技術の展示会「CSUN」にシステムを出展した際は、スティービー・ワンダーさんがブースを訪問。システムに驚きながら、自身のヒット曲「I Just Call To Say I Love You」や「上を向いて歩こう」を歌っていたという。

 今後はカラオケ店で実証実験を進め、今秋に発売する予定。価格はPCと点字ディスプレイ、専用ソフトを合わせて30万〜100万円になる見込みだ。専用ソフトと点字ディスプレイが一体となった端末の開発も進める。

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