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» 2008年06月27日 07時00分 UPDATE

ソニー、ネットワーク対応・動画配信を強化 VAIOやBlu-rayを1兆円事業に

ソニーは新3カ年計画でネットワーク対応の強化を打ち出した。製品カテゴリーの9割をネット・ワイヤレス対応にするほか、主要製品向けに動画配信を始める。

[ITmedia]

 ソニーは6月26日、2010年度(2011年3月期)まで3カ年の新中期経営方針を発表した。ネットワーク対応を強化し、10年度までに製品カテゴリーの90%をネットワーク・ワイヤレスに対応させる方針を掲げた。「プレイステーション 3」(PS3)や液晶テレビ「BRAVIA」に直接動画を配信するサービスも始める。

photo 新3カ年計画を発表するストリンガー会長、中鉢社長(中央右)ら

 次世代DVD戦争に勝利した同社は、今後はネットワークを活用した動画配信に本腰を入れる。10年度までに、主要製品向けに動画配信サービスを拡大。まず今夏、「PLAYSTATION Store」を活用してPS3向けに映画などの動画ダウンロード販売を始める。DRM「Marlin」で著作権を保護しつつ、PSPにチェックアウトして外で楽しむことも可能だ(「PS3を生活の一部に──新サービス「Life with PlayStation」)。

 11月には米国で、Sony Pictures Entertainmentの最新映画「Hancock」をDVD発売前にBRAVIAに配信する業界初の試みを行う。STBやサービスプロバイダを経由せず、ネット接続したBRAVIAに直接配信するのが特徴。ハワード・ストリンガー会長兼CEOは「ソニーがどのようにエレクトロニクスとコンテンツ資産を活用し、ネットワークを通じてグローバルプロバイダになるかという例になる」と話す。

 米AppleもSTB「Apple TV」とiTunesを活用し、ネットワーク経由でハリウッドメジャースタジオの映画を家庭のテレビで視聴できるレンタルサービスを展開している。ストリンガー会長は「AppleはSTBを売らなければならない」のに対し、ソニーのPS3やBRAVIAはすでに普及が進んでいるとして優位性を強調した。

 製品のネットワーク対応も急ぐ。中鉢良治社長兼グループCEOは「ソニーは単体の製品を世に出して賞賛を受けてきたが、これからはそれがつながっていく。つながっていくことで新しい感動を生んでいく」と話し、家庭内外でHD映像を持ち歩くなど、ネットワーク化による付加価値創出を製品コンセプトの軸に据えていく。

VAIO、BDを1兆円事業に

 現在、ソニーで売上高1兆円を超えるのは液晶テレビ、デジタルイメージング、ゲーム、携帯電話の4事業。今後は中核事業の強化を進め、さらにPC、Blu-ray Disc(BD)関連商品、コンポーネント・半導体の各事業を1兆円規模に育てる考え。

 PC事業は「VAIO」のノート製品を中心にラインアップを拡充。BDは最終製品に加え、レーザー素子やピックアップなどを「BDの中心プレーヤー」(中鉢社長)として幅広く展開していく。半導体・コンポーネント事業には、3年間の設備投資総額の半分となる9000億円を投じる計画だ。

 急務の液晶テレビ事業、ゲーム事業の黒字化はそれぞれ08年度に達成を見込む。液晶テレビ事業はオペレーションの改善を進め、10年度までに世界トップを目指す。ゲーム事業はPS3のコストダウンを加速。既にCellプロセッサは全量が65ナノメートルプロセスに移行しており、グラフィックスチップ「RSX」も今秋以降、同プロセスにシュリンクする計画。部品点数の削減も進める。

ROE10%、早期に売上高10兆円

 「エレクトロニクスの復活」を掲げた再建の3年間が終了し、07年度は過去最高の連結売上高・純利益を計上。エレクトロニクス事業の営業利益率は5.4%(全社連結では4.2%)にまで改善し、3年前に掲げた合格ラインには達したという評価だ。

 今後も営業利益率5%は「業界をリードし、イノベーションを続ける資金を生み出すための収益性のベースライン」とした上で、新経営方針では経営指標としてROE(株主資本利益率)10%を掲げ、社内部門ではROI(投下資本利益率)を資本投資評価の基本的な枠組みとして採用する。

 連結売上高や利益などの数値目標は明らかにしなかったが、「早期に売上高10兆円は達成したい」(大根田伸行CFO)。1兆円事業の創出に加え、BRICs市場での売上高を10年度には2兆円に倍増させるなどし、業績拡大を図っていく。

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