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PS3を生活の一部に──新サービス「Life with PlayStation」

» 2008年06月26日 19時22分 公開
[ITmedia]

 ソニー・コンピュータエンタテインメントの平井一夫社長兼グループCEOは6月26日、「プレイステーション 3」(PS3)向けの新サービス「Life with PlayStation」を披露した。リアルなCGの地球を操作して世界各地の天気やニュースを家庭のテレビで見ることができるほか、今後さまざまな機能を追加する。任天堂が「Wii」で当初から打ち出していたのと同様に、ネットに接続したPS3をライフスタイルの一部に取り入れてもらう戦略だ。

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 ソニーが開いた経営方針説明会で公開した。PS3と大画面テレビでネットコンテンツを閲覧できるようにするもので、CGの地球は若干のタイムラグがあるものの、実際の地球上の雲を反映して描画しているという。地球を操作して各地に関連したニュースを表示したり、Webサイトを呼び出して閲覧するといったデモが行われた。

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 BGMを流すことができ、「リラックス」などの気分に合わせてHDD内の楽曲から自動的にプレイリストを作成してくれるという。「将来は動画や写真を場所別、時系列順に整理して閲覧できる機能や、コンテンツのダウンロード機能なども追加する」(平井社長)。開始時期などは今後アナウンスするという。

今夏に動画配信も

 「立ち上げに苦労したPS3だが、一義的にはゲーム機であることを認識し、魅力的なソフトを集めた」(平井社長)。PS3は07年度に924万台を販売。08年度は1000万台の目標を掲げ、ゲーム事業全体の黒字化も見込む。

 ゲームコンソールという原点に帰り、ゲームソフトを充実させることで軌道に乗せたPS3だが、今後はゲームに加え「ノンゲーム」領域にも本格的に進出していく。「Life with PlayStation」や、今秋にスタートが延期された仮想空間「Home」もこうした戦略の一環だ。

photophoto 「Home」は「まずゲーマーが楽しんでもらえる機能にフォーカス」。仮想空間でボウリングやビリヤードを楽しんだり、PS3ゲームの起動やアイテム販売などを行う
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 ソニーが発表した2010年度までの新経営計画では、ネットワークを活用した動画配信を重点施策として打ち出した。その先駆けとなるのが、今夏からPS3向けに開始する動画配信サービスだ。ゲームをダウンロード販売する「PLAYSTATION Store」をプラットフォームとして活用し、映画などの動画をダウンロード販売する。DRMは家電各社で策定した「Marlin」を採用しており、動画はPSPにチェックアウトしてモバイルで楽しむこともできる。

photo PLAYSTATION Storeで展開する動画配信。HDコンテンツも用意するという

 米AppleもSTB「Apple TV」とiTunesを活用した映画のレンタルサービスを展開している。だがハワード・ストリンガー会長兼CEOは「AppleはSTBを売らなければならないが、われわれには1000万台以上のインストールベースがある」と自信を見せた。

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