エーアンドオー(東京都渋谷区)は7月7日、Internet Explorerのツールバー領域を拡張するプログラム「atus」(エータス)を公開した。ツールバー領域にHTMLやFlashなどで記述したコンテンツを配置できるようにするもので、第1弾としてさまざまなサイトの検索ボタンを配置できる「マルチサーチ」と、YouTube動画をツールバー領域で検索・再生できる「ムービーサーチ」を公開した。
通常、ツールバーはC++などでWindowsアプリケーションとして開発する必要があるが、atusはツールバー領域にHTMLやFlash、Ajax(Asynchronous JavaScript+XML)、Java、PHP、 Rubyなどを使ったコンテンツを追加できるのが特徴。通常のツールバーと比べ、デザイン性と機能性の高いプログラムを、短期間で開発できるとしている。
ツールバーは基本的に上下24ピクセルだが、atusは倍の48ピクセルに拡張。動画や写真のサムネイルを置いても内容が分かるサイズにした。領域のサイズはコンテンツ側から変更することも可能だ。
コンセプトモデルとして公開した「atus マルチサーチ」は、検索エンジンやECサイトなどの検索ボタンをユーザーが作成し、ツールバー領域から検索できるようにしたカスタム検索プログラム。1つの検索窓にキーワードを入れ、各サービスのボタンを押せばそれぞれのサービスで検索してくれる。
「atus ムービーサーチ」は、YouTubeの動画をツールバー領域から検索・再生できるプログラム。選んだ動画を再生する際は、ツールバー領域を拡張して再生する。
IEで表示中のページと連携するための機能や、サイトのURL、ID、パスワードをまとめて「ブックマーク」しておき、簡単にログインできるようにする「キーホルダー」機能なども備えた。
Googleのカスタム検索を利用したatus独自の検索機能を備えており、検索結果ページに表示されるAdsenseやアフィリエイト広告などで収益を上げる考えだ。広く普及させていくために、近く開発プラットフォームをユーザーに開放し、ユーザーがツールバーを開発できる環境を提供していく予定。ユーザーが作成したプログラムを集約する場の開設も計画している。Firefoxへの対応も進める。
Webの利用に便利なツールバーだが、「ボタンが増えたり、デザイン変更だけのバージョンアップがほとんどで、あまり進化していない」と同社は指摘。「ツールバー領域で行えるサービスそのものを大きく変える時期がきた」として、今後はatus用の新サービスの開発に加え、企業向けプロモーションツールとしての活用なども試みていく。
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