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「ニコ生」コメントで「ハゲ」と書かれた男性 「面白かった」ねとらぼ

» 2008年07月08日 17時57分 公開
[ITmedia]

 「ハゲと言われたおっさんです」――7月4日に行われたイベント「ニコニコ大会議2008」で、ライブ映像を見ていたユーザーから大量の「ハゲ」「おっさん」というコメントを受けた男性(34)が、「はてな匿名ダイアリー」に感想を投稿した。ネット上では「ひどいいじめだ」「トラウマになるだろう」といった意見も根強かったが、本人は「かなり面白かった」と告白した。(ニコニコ大会議で行われた「リアルタイム中傷」)。

画像 ニコニコ大会議の様子。会場の大きなスクリーンに、リアルタイムでコメントが表示された

 ニコニコ大会議の様子は「ニコニコ生放送」でライブ配信され、ネットの向こうで1万人以上のユーザーが閲覧し、コメントを書き入れた。コメントはリアルタイムで画面に表示され、会場の大きなスクリーンに映し出されていた。

 男性は、イベントの最後に行われた質疑応答のコーナーで質問。映像に顔がアップで映った。その直後に「ハゲ」「おっさん」というコメントが殺到し、会場にいた2000人のユーザーからは笑いがもれた。男性がしばらく黙ってしまったため司会の西村博之氏がとりなし、その後改めて質問をしていた。

 男性は、イベント翌々日の7月6日付けで、はてな匿名ダイアリーにその感想を投稿。同サービスは匿名で利用できるが、ニコニコ動画の開発者ブログで、この書き込みが本人のものだと明かされた。

 書き込みで男性は、童話「裸の王様」になぞらえ、「裸の王様ってせいぜい数百人の国民の前で、子ども1人から『王様は裸』って言われただけじゃない? こっちは1万人+2000人の前で、何十人から『おっさん』『ハゲ』呼ばわりされて、2000人から大笑いされたんだから、これは王様より凄いんじゃね、と思う。このリアルタイム性&匿名性を持った告発者の発言、実際に受けてみると、率直に言ってかなり面白い。別に強がりとか自虐とかでなくて」と打ち明ける。

 さらに、「可視化された率直な感想のリアルタイムな集合体を、芸能人や政治家みたいな有名人ではなく一般市民の立場で世界初で見ることができた」と振り返り、「パラダイムシフトが起きた瞬間を体験できた人間が、世界中にどれだけいると思う? そのパラダイムシフトを実際のところ見てて自分でも面白がれた」と続ける。

 男性がこの告白を投稿するまでは、ネット上では「男性は回復できないショックを受け、トラウマになってしまうのでは」「ひどいいじめだ」といった意見が根強かった。男性は「精神弱い人がこれを食らっても大丈夫か、という意見に対しては正直わからんね。引きこもったり首吊ったりする可能性も否定できない」と告白しながらも、「この流れが止まったり逆流するかって考えれば、多分それはない。携帯電話が当たり前になったように、こういう、善意悪意を問わない率直な意見の可視化の流れも、そのうち当たり前になるんじゃないかな」と展望している。

 男性はその後も別エントリーを匿名ダイアリーに投稿。今回、ネット上に意見を書き込んだ理由として、(1)こういった経験はトラウマになるだろうという意見もあったが「勝手に決めつけるなよ」と意思表示したかった、(2)今後こういった場で同じことが行われなくなるなど嫌だから。この技術の芽をつぶしたくなかった――と説明した。

 その一方で「2ちゃんねるの叩きの数十倍の濃度がある率直な意見をリアルタイムで叩き付けられる破壊力は否定できません。自分が大丈夫だから、他の人も侮蔑(ぶべつ)表現を甘んじて受けろよ、なんて言えませんが、気を遣いすぎると『技術狩り』が起きるかもしれない」と複雑な心境を吐露している。

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