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大型有機ELディスプレイ技術を共同開発 ソニー・シャープなど、40型量産化目指す

» 2008年07月10日 14時50分 公開
[ITmedia]

 ソニーやシャープなどが、大型有機ELディスプレイを量産化するための基盤技術の共同開発に乗り出す。独立行政法人の新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)が7月10日、新プロジェクトの委託先として10社・1団体が決まったと発表した。2010年代後半までに、40型以上で低消費電力な有機ELディスプレイの量産・実用化を目指す。

 プロジェクトにはパネル、材料、装置のメーカーが参加。2社と、東芝松下ディスプレイテクノロジー、住友化学、出光興産、長州産業、JSR、島津製作所、大日本スクリーン製造、日立造船、独立行政法人・産業技術総合研究所の10社・1団体で、NEDOの「次世代大型有機ELディスプレイ基盤技術の開発(グリーンITプロジェクト)」の委託先として、公募した中から選ばれた。

 プロジェクトは2012年度まで5年間。経済産業省はNEDOを通じ、年間約7億円の資金を支援する。

 有機ELディスプレイは、低消費電力、高効率発光、広視野角、薄型・軽量を同時に実現できるとして期待されている。ソニーが小型パネルで商品化を果たしたが、今後は大型化が課題。Samsung Electoronicsなど韓国勢も大型パネルの開発に力を入れている。

 同プロジェクトでは、フルHDで40型以上の有機ELディスプレイの消費電力を40ワット以下に抑えた製品の量産技術確立を目指す。

 まずは大面積の有機膜や透明封止膜の製造技術や、有機膜に損傷を与えない大面積電極形成技術の開発を進める。第6世代(1500×1850ミリ)以上の基板に対応可能な高生産性の実現も図っていく。

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