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» 2008年07月15日 20時08分 UPDATE

ひろゆき氏と夏野氏に聞く「お互いのこと、どう思ってる?」&ニコ動の行方 (1/3)

暴走する夏野氏を静かに制するひろゆき氏――2人の会話は息の合った漫才のよう。初対面は「ニコ動」の会議で、すぐに打ち解けたという。2人にお互いの印象と、ニコ動の今後について聞いた。

[岡田有花,ITmedia]

 2ちゃんねる管理人の西村博之(ひろゆき)氏と、元NTTドコモ執行役員の夏野剛氏の会話はまるで漫才だ。主にボケ役が夏野氏でツッコミ役がひろゆき氏。熱く暴走する夏野氏を、ひろゆき氏が制したり、冷静な意見を述べたりする。ボケツッコミが逆転することもある。

画像 夏野氏(左)とひろゆき氏

 そんな2人が初めて出会ったのは「ニコニコ動画」(ニコ動)に関する会議だったという。ひろゆき氏は、ニコ動を運営するニワンゴの取締役として、夏野氏は親会社ドワンゴの顧問として。2人はすぐに打ち解け、7月4日に開いた「ニコニコ動画(夏)」の発表会ではコンビで司会を務めて会場を大いに沸かせた。

 2人はお互いをどう思っているのか。夏野氏はなぜドワンゴの経営に参画しようと思ったのか。2人は今後、ニコ動をどう導いていくのか、聞いてみた。

――夏野さんがドワンゴに参加しようと思ったきっかけは

夏野 NTTドコモで「会社辞めちゃおうかなぁ」と思っていたら、ドワンゴから「じゃあニコ動を手伝ってくれ」と呼ばれました。ドワンゴはモバイルもやっていて、それは一番親しみのある、言ってみれば僕が作った世界だけれど、そこは十分にもうかってるから、手伝わなくていい。

――PC向けサービスのご経験は

夏野 ありますが、すみません、つぶしました、会社を。

ひろゆき 「ハイパーネット」という、知る人ぞ知る。

画像

夏野 でもPC向けとか携帯向けとかいう差は全くないと思う。お客さんが満足するしかけという意味では同じ。お客さんはPC向けもモバイル向けも同じですから。

 ドワンゴとは古くからの付き合いで、新サービスをやるときはよく話には来てくれてました。携帯の着信音でも「普通のじゃ面白くないと思うんですよね」と、マナー着信音作ったりして。一本筋が通ってた。

 ニコ動の時は「これからPCで動画なんです」と紹介されて、最初はふーんと思っただけでした。その後もう1回説明に来た時には面白いと思った。世界にはほかにない、違う物を作ったなあと。ユーザーが書き込んで、動画を面白くしている。

 今はいろんな会社に参画していますが、活動のベースはドワンゴ。ここにぼくの部屋がありますから。でも最初のころはつらかったですよ。社内をふらふらしてると、「なんでドコモの人いるんだろう」って。

ひろゆき 夏野さんのことはみんな知ってるけど話しかけづらい。雑談振るわけにはいかないし。

「僕のこと、もっと大人だと思ってた?」

――夏野さんとひろゆきさんの初対面はいつですか

夏野 ニコ動の企画会議でいきなり。でもぜんぜん違和感なかったよね、最初っから。

ひろゆき まぁ割と話やすい感じではあった。夏野さんはテンション高い人だなぁと思いました。基本的にいっつもテンション高いですよね。

夏野 そう?

ひろゆき 夏野さんが落ち着いて静かにしているのを見たことがない。沈んだり疲れているのも見たことがない。

――会う前のイメージとギャップはありましたか?

夏野 僕のこと、もっと大人だと思ってた?

ひろゆき ええ、割と……。天下のNTTドコモですからねぇ、お役所的な人が来るのかと思っていたら。

「ひろゆきは大人だ」

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――夏野さんはひろゆきさんに対してどんな印象を持ちましたか

夏野 会う前から「ポリシーあるんだろうな」とは思ってた。裁判出ないくらいだからね(笑)。本当に、一本通った人ですよ。

 会う前は“過激派”かとも思ってた。もっとアナーキーで、子どもとして裁判に出ないのかと思ってたけれど、実際は大人として裁判に出てない。

 僕は自分の考え方をしっかりもっている人をすごく尊敬していて。自分の考え方をしっかり持った上でリーダーになっている人は、個人として、社会に対してそれなりに貢献していると思う。そうでない偉い人や社長もいっぱいいるけれど、そんな人はその人が社長じゃなくても何も変わらない。

 ひろゆきはものすごいしっかりしてる。すごい頭いいと思う。頭よけりゃいいってもんじゃないけど。

ひろゆき 持ち上げたと思ったら落として。

夏野 あと考え方がすごくフラットだよね。偏りすぎてなくて。大人じゃん!

ひろゆき ありがとうございます。よく分かんないフォローをされてしまいましたが。

夏野 ドワンゴでは本来、僕が大人の役割をして、押さえに回るのを期待されていると思うのですが、今は逆転してる。僕はまだ来たばっかりなので盛り上がってて。ミーティングの中でも一番過激。一番大人になっているのが今、ひろゆき。

ひろゆき 「それはちょっと難しいと思いますよ」とか言ってる。

夏野 それに対して僕が「なんでそれがいけないんだ!」とか。

「未払いはダメ!」

――夏野さんは「ニコ動の黒字化担当」ということですが

夏野 もうからなきゃつぶさなきゃいけない。それじゃ寂しいじゃないですか。

ひろゆき 現状でも無理すれば単月黒字化はできると思うんですけど。サーバ代滞らすとかすれば。

夏野 それは黒字化じゃなくて未払いって言うの! 未払いはダメ!

――広告で月間4000万稼ぎ、有料会員も20万人以上いますが、黒字化はまだ遠いのでしょうか

夏野 それじゃ足りないのよ。どんどん新しい機能開発入れちゃってるから。

画像

ひろゆき 「技術者倍増計画」でどんどん技術者増やしてコスト増やしてるし。

――黒字化担当として、今後をどう展望していますか

夏野 こういうサービスは、面白くあり続けることがすごく重要だと思うんです。面白くあり続けるには1年前と同じことをやっててもダメ。そっちの方向はもう、あまり心配いらないくらいどんどん面白くしているが、そっち以外があまりやってなかったと思う。

 これまでの1年半は、とにかく新しいサービスをきちんと立ち上げてサービスとして軌道に乗せることに集中していた。でも普通に上場企業としてサステイナブル(持続可能)にビジネスをやっていくためには収支を回さないといけないし、今後の基盤を作らないといけない。ビジネスとして成り立つようにしないと、いつまでも赤字のままならどこかでやめないといけないから。

 今後は全面的に、本格的なビジネス展開を組み込みながら、楽しく面白いプラットフォームはこのまま維持し、さらに進化させるというのをやっていきます。

「ニコニコ動画はブルームバーグだ」

――台湾版に続く海外版はドイツ語とスペイン語版だそうですね。表向きには、ドイツ語圏のオーストリアで開かれているメディアアートの国際的な賞を受賞したから、スペイン語は話す人の数が多いからと説明されていましたが

ひろゆき 海外版は、フランス語と英語を避けたんです。フランス語と英語は大手の動画配信会社があるから真っ向勝負ととらえられると微妙なので、ほかの国でうまくいくかどうかのテストをまずドイツ語やスペイン語でやろうという。

――夏野さんは海外戦略を推進するためにドワンゴに入ったという報道もありました

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