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100ドルノートPCは時期尚早――Gartnerが指摘

» 2008年07月30日 07時41分 公開
[ITmedia]

 ノートPCで100ドルの価格設定を目標とするのは、早くても3年後にすべき――米調査会社Gartnerは7月28日、調査報告書をまとめた。100ドルPCは現在、教育市場を主なターゲットとしているが、現在発売されているすべてのノートPCの製造コストは100ドルを上回っており、今後2、3年は急激に下がることはないと指摘している。

 また同社は、価格低下は重要だが、100ドルを目指すことはミニノートPCの問題を軽視することにつながると警鐘を鳴らす。例えば途上国向けミニノートPCには、本体仕様、電力供給源、インターネット接続とそのコスト、支払いオプションや資金支援をどうするかなどの問題がある。

 ただし低価格ノートPCへの需要が増えて部品価格が下がれば、組み立てコストやソフトの価格が変わらなくても、今後2、3年でPCの価格は10〜15%程度下がる可能性があるとGartnerは見積もる。

 ミニノートPCは、アフリカの一部、南米、インド亜大陸、極東、東欧といった新興成長地域の教育セクターに試験的に導入されている。こうした早期導入で明らかになったのが、ハードウェア以外のものに対する財政的支援の重要性、教師と生徒への指導計画、各学校の指導カリキュラムに沿ったコンテンツ開発、学童に最適なインタフェース、恒久的なテクニカルサポートの提供などだという。

 ミニノートPCは教育以外の分野でも一般ユーザーを獲得しつつあるが、ビジネス利用はまだ先の話だとGartnerはみる。ミニノートPCはむしろPCとしてではなく、手軽なインターネット接続端末として利用されるというのが同社の見方だ。

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