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「医薬品のネット販売継続を」 ネット薬局が自主ガイドライン策定

» 2008年08月06日 19時16分 公開
[宮本真希,ITmedia]
画像 左から日本オンラインドラッグ協会の樋口宣人事務局長、後藤玄利理事長、三澤克仁理事、日本通信販売協会の万場徹事務局長

 ケンコーコムなど医薬品をネット販売する薬局・薬店が加盟する日本オンラインドラッグ協会(JODA)は8月6日、医薬品のネット販売継続に向けた自主ガイドラインを発表した。

 厚生労働省は来年4月に施行予定の改正薬事法で、副作用リスクが比較的高い医薬品について、薬局店頭などの対面販売に限定し、ネット販売を禁止する方向で検討している。

 JODAは、購入者の健康状態を把握したり、医薬品に関する情報提供を行うことなどを定めたガイドラインを策定。これを守ることでネット販売でも対面に近い安全性を担保できると主張し、ネット販売継続を訴えていく。

「危機感を強く感じている」とケンコーコム社長

 ガイドラインは、厚労省の「医薬品の販売などに関わる体制及び環境整備に関する検討会」が7月、薬事法の省令作成のベースとなる報告書を発表したことを受けて作成した。

 報告書では、医薬品をリスクに応じて第1〜3類の3段階に分類。最もリスクが高い第1類は、「ネット販売は適当ではない」、次の第2類は「対面の原則が担保できない限り、販売することを認めることは適当でない」とし、最も低い第3類のみネット販売を認める方針だ。

 第1類には胃腸薬「ガスター10」、発毛剤「リアップ」などが、第2類には風邪薬「ルル」、禁煙補助剤「ニコレット」、痔の薬「ボラギノール」などが、第3類にはうがい薬「イソジン」などが含まれている。

 JODAに加盟するECサイトでは、第1類が売り上げの5%、第2類が63%、3類が32%を占めている。「1類、2類がネット販売できなくなれば、医薬品をネット販売する中小規模の薬局などが事業を継続できなくなったり、出歩くのが困難な人が医薬品を購入する機会を奪う」とJODAは訴える。

 ケンコーコムの後藤玄利社長によると、報告書で第2類の販売条件とされている“対面の原則”を満たすための販売方法は定義されていないという。「このままでは医薬品のネット販売が合理的な理由なく否定される可能性が大きく、危機感を強く感じている」(後藤社長)

“対面の原則”満たすガイドラインを

画像 ケンコーコムの後藤玄利社長

 ガイドラインは“対面の原則”を、ネット販売で満たすための指針だ。後藤社長は「対面の原則を担保するという本質は、極めて近距離で販売しなければいけないということではなく、きちんと客ごとに適切に販売していくことだ」と話す。

 ガイドラインでは、医薬品購入の際にWebサイトなどで健康状態を申告したり質問できる仕組みを導入。薬剤師などの専門家が医薬品を販売していいかどうかを判断できるようにする。専門家は医薬品の適切な選択・使用に関する情報も提供していくほか、専門家による情報提供が行われていることを購入者が確認できるような仕組みも設ける。

 店頭で医薬品を販売する際と同等の安心・安全を担保するため、医薬品をリスクごとに分かりやすく表示したり、ユーザーに医師の受診を勧めるといった取り組みも行う。医薬品をネット販売する業者の届出制も導入するとしている。

医薬品をネットで購入したことがある人は11%

 JODAは医薬品のネット販売に関するアンケート調査の結果も公表した。1年以内にネットで購入したもののうち、最も多かったのが「本、書籍」(51%)、次いで「食料品、飲料品」(48%)、「CD・DVD」(39%)で、「医薬品」と答えた人は11.2%だったという。

 医薬品の中で最も多かったのは「ビタミン剤」(34%)で、「風邪薬」(28%)、「痛み止め」(24%)が続く。

 医薬品をネットで購入した理由として最も多かったのは「ドラッグストアで買うよりも安いから」と「家まで配達してくれるから」で45.7%だった。

 ネットで医薬品を購入できなくなると困ると答えたのは、全体の29%だった。

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