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ワンクリック不正請求の相談件数が急増 8月は545件で過去最悪

» 2008年09月09日 18時58分 公開
[宮本真希,ITmedia]
画像 相談件数の推移

 情報処理推進機構(IPA)は9月9日、8月に寄せられたワンクリック不正請求(ワンクリック詐欺)に関する相談件数が、前年比65%増の545件と過去最悪になったと発表した。1・2月は30件未満だったが3月から急増。アダルトサイトからの誘導に加え、スパムブログなどから不正請求サイトに誘導する手口が増えており、女性や子どもも被害にあっているという。

 ワンクリック不正請求とは、Webページ上のURLや動画をクリックしただけで、「入会ありがとうございます」「会員登録が完了しました」といったメッセージを表示し、料金の支払いを不正に請求するというもの。

画像 請求画面の例

 請求画面の前に、利用の同意を確認するような画面を表示してクリックさせることで、契約が成立したかのように見せかける「ツークリック詐欺」も報告されている。

 IPAに寄せられた主な相談内容は、サイトで動画を見ようとして再生ボタンなどをクリックすると、ウイルス(exe形式の実行ファイル)をダウンロードさせられ、請求画面が数分おきに繰り返し表示される――というものだ。ダウンロード時にWindowsの警告が表示されるが、警告を無視して安易にダウンロードしてしまうユーザーがいるという。

 ほとんどがアダルトサイトに仕掛けられているが、アダルトではないサイトから不正請求サイトへ誘導され、被害にあうケースも増えている。

 例えば、芸能人の写真を掲載したスパムブログを開設して「超最新過激動画」などと興味を引くリンクを設置したり、ゲームの攻略法を紹介したサイトで、コメント欄などに不正請求サイトのURLを投稿して誘導する――といった手法も確認している。

 昨年11月にツークリック詐欺業者が逮捕され、相談件数は一時急減。12月は43件、今年1月は28件、2月は24件だったが、3月以降に再び急増し、6月は372件、7月は457件、8月は545件と、3カ月連続で最多件数を更新している。

画像 芸能人の写真を掲載したスパムブログに不正請求サイトへのリンク

 IPAの山田安秀セキュリティーセンター長は「これまで被害にあうのはアダルトサイトのユーザーが中心だったが、年齢・性別問わず被害者になっている」と指摘。不正請求の手口をよく知らない相談者も多いという。「振り込み詐欺などに比べてもまだまだ認知されていない。まずは手口を知ることが重要」

 被害を避けるため、Windowsの警告に注意を払い、出所が分からないファイルはダウンロードしないようIPAは呼び掛けている。

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