テレビが薄いのは当たり前、“薄さ+α”を――9月30日に開幕したエレクトロニクス・IT関連の総合見本市「CEATEC JAPAN 2008」(千葉・幕張メッセ)では、家電メーカー各社が、薄型テレビのレイアウト提案や新機能の訴求に工夫を凝らしている。
昨年までは「世界最薄」が、それより前は「世界最大」が展示の目玉だった薄型テレビだが、今年は様相が異なる。
各社とも薄さはアピールしながら、設置レイアウトを工夫して薄さのメリットを強調したり、画質や省エネ性能をアピールしたり、ホームネットワークやインターネットと連携させたりなど、独自の強みを組み合わせた“薄さ+α”の展示が目立つ。
薄さで直球勝負に出ているのはソニーだ。厚さ9.9ミリの「ZX1」シリーズを横向きに並べて展示し、「世界最薄」を強くアピール。世界初の4倍速技術など、いくつもの「世界最○」を強調し、技術力を全面に押し出している。
テレビの薄さ競争ではほぼ“最終兵器”となる0.3ミリ厚の11型有機液晶パネルを展示するなど、有機ELパネルの展示にも力が入っている。
日立製作所も、薄さが売りの「Wooo UTシリーズを」を横向きに並べて展示し、薄さを印象づけていた。
薄いからこそできるレイアウトを――東芝は、スタンドのないテレビを壁に立てかける新スタイル「立てかけ液晶テレビ」を提案。日立も「Wooo」を、金びょうぶにテレビを張り付けた独特のレイアウトで展示している。
シャープは、開幕と同時に65V型・最薄部2.28センチの「AQUOS Xシリーズ」を発表。昨年発表して薄さが話題になった液晶テレビを商品化したもので、外付けチューナーから映像を無線伝送することで薄型化を実現。オプションで販売するびょうぶのような形のスタンドや、“猫足”スタンドと組み合わせたレイアウトを提案している。
三菱電機も、映像をワイヤレス伝送する「REAL」新製品「LF2000シリーズ」を、壁に寄せて設置する「レイアウトフリー」を売りに展示。ワイヤレス伝送するテレビでは、松下が「ワイヤレスHD」内蔵のプラズマテレビを参考出展している。
“エコ”ブームを意識し、省エネ技術を活用した展示も多い。東芝は低消費電力の液晶テレビで、消費電力を「82ワット」などと赤字で大きく表示し、省エネ性能をアピールしていた。
松下は「未来のテレビ」として、ホームネットワークと連携したテレビのデモを展開。家じゅうの消費電力をテレビ画面で確認できる――という、エコを意識したシステムも紹介している。
インターネット機能を売りにした展示もある。シャープは、AQUOSから「Yahoo!JAPAN」の専用サイトを閲覧し、ビデオオンデマンドサービスやWebサイト閲覧などができる、というデモを展開していた。
このほか、Cellプロセッサを搭載した東芝の「Cellテレビ」、光源に3原色半導体レーザーを採用した三菱の「レーザーテレビ」、フルHDで3D映像が楽しめるシアターシステムなど、各社の技術力をいかした展示も人気を集めていた。
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