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MSとFASTが日本でも協業 企業向け検索強化へ

» 2008年11月12日 16時53分 公開
[宮本真希,ITmedia]
画像 協業体制について

 マイクロソフトは、ノルウェーのFAST Search&Transfer(FAST)日本法人と協業し、企業向け検索事業を強化する。「Office SharePoint Server」にFASTの検索システムを組み合わせて提案。FASTのシステムに関するコンサルティングサービスも、マイクロソフトが提供する。

 FASTは企業向け検索システムを手がけており、今年4月に米Microsoftが買収し、100%子会社化した。

 これに合わせて両社の日本法人も協業。SharePoint ServerとFASTの検索システムを組み合わせて提供する。これらを組み合わせれば、あいまいな検索ワードしか思い浮かばない時でも、情報を段階的に分類して見つけ出すといったことが可能になるという。

画像 MSの企業向け検索システムラインアップ

 SharePoint ServerにFASTの検索を搭載するには現状、カスタム開発する必要があるが、2009〜10年ごろ発売予定のSharePoint Server次期版では、簡単な設定でシームレスに利用できるようにする予定だ。

 顧客から要望があれば、FASTのシステムに関するコンサルティングサービスもマイクロソフトが提供する。

 両社の企業向け検索システムは、NECソフトや日本ヒューレット・パッカードなど9社のパートナー企業と協力して販売する。

 マイクロソフトの佐分利ユージン常務は「社内の情報検索システムは、情報を自動で精査し、見える化する必要がある。2つの製品が融合することで情報を“探す力”と“活かす力”を合わせて提供できるソリューションになる」と、FASTのシステムに期待を寄せる。

 FASTのシステムは、国内では「楽天市場」「ぐるなび」「価格.com」などに導入されている。社内システムでは東芝やソニーなどが採用しているが、導入例はまだ少ないという。FAST日本法人の徳末哲一社長は「社内向けの検索システムとして、やっと大手企業に本格的に入りだしたばかり。FASTから見ても、Microsoftによる買収はベストタイミングだったと思う」と話した。

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