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Intel Atomの最新ロードマップが流出か

» 2008年12月11日 07時10分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 米Intelは2010年後半に、32ナノメートル(nm)製造プロセスの採用でAtomプロセッサラインをさらに小型化することを計画している。また、モバイルインターネットデバイスおよびNetbook向けの新プラットフォーム技術を「Medfield」のコードネームで開発する計画だ。UBS Investment Researchが最近発表した調査リポートでそう述べている。

 さらに、このリポートによると、Intelは2009年後半に、Netbook向けの新Atomプロセッサ「Pineview」(コードネーム)を投入する計画だ。また、Netbook向けの新チップセットも計画しており、これには同社独自のグラフィックス技術が採用される。

 UBSの調査リポート「Intel Atom: Netbook, Opportunity or Threat?」は12月3日に発表され、12月7日付のCNETのNanotechブログなど、幾つかのメディアに取り上げられた。

 Intelの広報担当者ビル・カーコス氏は12月8日、eWEEKに対し、Intelの新しいNetbook向けAtomプロセッサのコードネームがPineviewであることを認めた。だが同氏は、32nmプロセスで製造されるAtomチップの2010年の登場など、UBSのリポートのほかの点についてはコメントを控えた。

 Intelは今年、Atomプロセッサの第1弾を市場に投入した。「Silverthorne」のコードネームで呼ばれていたこのプロセッサは、Intelが言うところのMID(モバイルインターネットデバイス)向けに設計されていた。「Diamondville」のコードネームで呼ばれていたAtomの第2弾は、Netbook(低価格ノートPC)、Nettop(低価格デスクトップPC)、そのほかのウルトラポータブルノートPC向けに開発された。

 MID向けのカテゴリーでは、Intelは、「Moorestown」というコードネームの新プラットフォームを準備していることを発表している。Moorestownには、システムオンチップ(SoC)設計を特徴とする新チップ「Lincroft」(コードネーム)と、新チップセット「Langwell」(コードネーム)が含まれる。IntelはNetbook向けの次期プラットフォームについては、あまり詳細を明らかにしていない。

 UBSのアナリストはリポートで、新しいNetbookプラットフォームにはIntel独自のグラフィックス技術が採用されるが、同社はMIDプラットフォームでは、引き続きImagination Technologiesのグラフィックス技術を使用する計画だと述べている。また、UBSのリポートによると、Intelは、Atom搭載のNetbookでMicrosoft Windowsが円滑に動作するようにグラフィックスドライバの開発を進めているという。

 「さらに、Intelはポピュラーなアプリケーションが稼働するWindows環境を適切にサポートするグラフィックスドライバセットを精力的に開発している」とUBSのリポートには記されている。「注意しなければならないのは、MicrosoftがNetbook向けにVista PremiumやWindows 7の同等エディションの低価格版を提供しなければ、WindowsのユーザーインタフェースはNetbookのグラフィックス性能では、極めて快適に使えるとはいえないことだ」

 一方、UBSの調査リポートによると、Intelが32nmプロセッサとMedfieldプラットフォームに移行する段階で、同社のエンジニアはより複雑なSoC設計を導入し、プロセッサコア、ビデオ技術、メモリコントローラ、I/Oを同じシリコンチップに統合する計画だ。

 現在、IntelのAtomプロセッサは45nmプロセスで製造されている。同社は2009年末から一部のプロセッサを32nm設計に移行する計画を表明している

 UBSのアナリストは、新設計を続々導入するIntelだけでなくOEMも、Netbookの概念を広げるのに貢献すると予測している。Netbookは、インターネットにつないで使うシンプルなノートPCから、高精細ビデオなどリッチなマルチメディアアプリケーションを扱えるPCに発展するというのがUBSのアナリストの予測だ。この新世代のPCでは、バッテリー駆動時間も長くなる見通しだ。

 またUBSは、IntelとそのNetbookのOEMパートナーが、WiMAXのような広域通信技術や3Gなど、一部のスマートフォン技術をノートPC製品に取り入れると見ている。

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