朝起きてまず、アニメを見る。3〜4時間堪能して目が疲れてきたら、トレーニングに出掛ける。戻ってきたらまたアニメを見る。プロキックボクサーの長島☆自演乙☆雄一郎選手(24)の1日は、アニメ中心で過ぎていく。
試合にはコスプレ姿で入場する。「涼宮ハルヒ」「ランカ・リー」――大好きなキャラになりきるため、かつらをかぶり、スカートもはく。恥ずかしさはまったく感じない。試合前のアップもコスプレ姿のまま行うが、衣装が汚れるのを気にして「汗をコントロールする」。本業はコスプレイヤーで「プロ格闘家もおまけにしてますw」と豪語している。
スカートからは、格闘家らしい引き締まった筋肉質な脚がのぞく。リングに上がり、衣装を脱げば、たちまち勝負師の顔だ。「K-1 WORLD MAX 2009〜日本代表決定トーナメント〜」の1回戦では、強烈なパンチでKO勝ちした。次の準決勝はドクターストップでTKO負けとなり、悔し泣きする姿も放送され、鮮烈な印象を残した。実際のファイトを初めて見た格闘技ファンからの評価も高い。
異色の入場パフォーマンスと、試合で見せる強さや真剣さ――その“ギャップ”が受けてか、人気急上昇中の長島選手に、“アニヲタ遍歴”やコスプレのこだわりなどを聞いてみた。
「待ち合わせは新宿アルタ前で」――長島選手に取材を申し込んだら、こんな答えが返ってきた。滞在先の千葉県から1人電車でやってくるという。
アルタ前は待ち合わせスポットの定番で、平日でも混雑している。目の前にある新宿駅の構内はRPGのダンジョンのようと言われるほど複雑だ。兵庫県在住で東京に不慣れな長島選手とすんなり合流できるだろうかと、一抹の不安が記者の脳裏をよぎる。
取材当日、待ち合わせ時間を少し過ぎたころ、長島選手から記者の携帯電話に電話がかかってきた。「迷ったみたいです。ここどこだろ……」――不安的中だ。
15分ほど長島選手を探し回り、やっと会えた。新宿駅の西口付近で迷っていたという。西口は、アルタ前とは反対側の出口。「ほんとすみません」と申し訳なさそうな長島選手と近くの喫茶店に入り、さあ取材スタートだ。
――無事にお会いできてよかったです!
すみません。間違えて東京都庁の方へ行ってしまったみたいです。
――アルタとは逆の方向ですね。方向音痴なんでしょうか。
はい、いつも試合で頭を殴られているんで……。池袋の乙女ロードへ行こうとして迷ったこともあります。そのとき近くを歩いていた女性に道を聞こうとしたら、無視されました。
――それはショックですね。兵庫県西宮市在住とのことですが、東京にはよく来ていますか。
最近は取材などで、月に1回くらい東京に来ています。東京に来たらだいたい秋葉原に行きます。たまに中野にも。原宿や渋谷での遊び方は分からないですが、秋葉原ではすぐに時間が過ぎていきます。
――いつから“アニヲタ”ですか。
生まれた時からです。
――えっ!?
いや、母親のお腹の中にいるときからずっとです。初めて買ったCDも、声優の林原めぐみさんのアルバムでした。
――今までハマった作品は。
小学生の頃は「ドラゴンボール」や「スラムダンク」にハマったり、テレビ大阪で放送しているアニメをずっと見ていました。
最近ハマったのは「魔法少女リリカルなのは」です。まずは「なのは」のかわいさにハマって、「ヴィータ」が出てきてからは「ヴィータ」にハマって……ヴィータのかわいさは異常!
「涼宮ハルヒの憂鬱」も好きです。作品の舞台が地元西宮市ということもあり、のめりこみました。「第2期はまだなのか」とかばっかり考えてます。
――長島選手の1日を教えてください。
午前10時くらいに起床して、ご飯を食べながら、アニメ専門チャンネル「アニマックス」をチェックしたり、DVDやネットでアニメを見ます。3〜4時間見ると目が疲れてくるので、格闘技のトレーニングのため2時間ほど走り込みます。
――トレーニングよりアニメを見ている時間の方が長いですね。
走り込みが終わってシャワーを浴びてから、一息つく時もアニメ見てます。
――魁塾(所属先の道場)にはいつ行くのでしょうか。
魁塾でのトレーニングは午後8時から午前0時くらいまでです。魁塾には社会人も多いので、練習のスタートが遅いですね。
――さすがに午前0時に終わって帰ってきたら、アニメは見ませんよね?
疲れていたら寝ますが、まだ元気があったらアニマックスを見ます!
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