――コスプレを始めたのはいつですか。
大学生の頃、セミプロとして試合に出ている時から、女子高生の制服を着てパラパラを踊ったり、ヤンキーの格好をしながら入場していました。
セコンドがナースの格好をして、自分はパジャマを着て患者として登場する――なんてこともありました。
――アニメキャラのコスプレを始めたきっかけは。
試合の衣装をネットで探していたら、涼宮ハルヒの北高の制服のメンズサイズを見つけたんです。「こんなのあるんや!」と驚きました。
「これを着て『ハレ晴レユカイ』踊って入場したら、絶対楽しい」と思い、1万円くらいで購入しました。
――女性キャラのコスプレは恥ずかしくなかったですか。
初めは照れもありましたが、コスプレするだけで好きなアニメに関わっているという感じがして、うれしかったです。コスプレの楽しさを覚えたので、プロのコスプレイヤーになろうと決心しました。今は恥ずかしさはありません。
――アニメのコスプレをする際のこだわりは。
かつらをかぶったり、小物を付けるなど、原作に忠実に頑張ろうと思っています。女の子になりたいと思ってコスプレしているわけではないので、むだ毛処理はしないです。
――コスプレ衣装は何着持っていますか。
15着くらいですね。
――コスプレ入場について、家族など周りの人は反対しないですか。
家族は「恥ずかしい」と言っていましたが、「止めろ」と言わないですね。
試合で弱かったら止めろと言うかもしれないですが、NJKF日本スーパーウェルター級のチャンピオンになったし、K-1のリングにも上がったので、パフォーマンスとして認めてくれています。
――試合入場以外でもコスプレしますか。
はい。去年初めて「冬コミ」に行ったときは、「ヴィータ」のコスプレをしました。
――コミケが初めてだったとは意外です。
ずっと行きたかったんですが、東京へ行くほどの余裕がなくて。コスプレイヤー活動はお金にならないですから。
――ちなみにコミケでは何を買いましたか。
タオルとか、同人誌とか……。
――どんなジャンル・内容の同人誌だったのですか。
18き……いや、これ以上は禁則事項です。
――K-1 MAXでは「マクロスF」の「ランカ・リー」のコスプレで登場しました。
1試合目の衣装は、フロンティアパワーズという企業が、残りの衣装は、まんだらけが提供してくれました。
まんだらけは、一緒に入場したダンサーの衣装も用意してくれましたし、スタイリストも派遣してくれたんです。「中途半端なコスプレはできない」というまんだらけのプライドを感じました。
――一緒に登場したのはプロのダンサーですか?
プロのダンサーや、魁塾に所属する格闘家、関西で活躍するプロキックボクサーなどです。グラビアアイドルで、「中野腐女子シスターズ」の浦えりかさんもいました。
――コスプレ入場の準備は大変そうですね。
大変です。普通の選手は、アップした後にダウンジャケットなどを来てスタンバイしていますが、コスプレする場合はまず衣装を着て、ダンサーと振り付け確認した後にアップする――というふうに忙しい。かつらは入場の直前に付けます。
――入場だけでなく、アップもコスプレ衣装でやっているとは驚きです。
アップは、衣装が汚れないよう、汗をかかない程度にシャドーボクシングやミットを蹴ったりします。汗すらコントロールするのがプロのコスプレイヤーです。
――K-1 MAX入場時にはランカの声優・中島愛さんの声で紹介されていました。
自分から提案した入場演出アイデアの1つで、TBSの協力で実現しました。
――採用されなかったほかのアイデアも教えてください。
中島さんが歌いながら入ってくる案や、「キラッ☆」の時に花火が上がる案などがありました。
――以前「試合より入場がメイン」と言っていましたが、本当にそう思っていますか。
もちろん! メインだと思わなければここまでやらないでしょう。誰が見たってコスプレ入場はおかしいけど、ありえないことをするのがプロのコスプレイヤーです!
――今回のK-1 MAXでは右目のまぶたをけがしてしまいました。
コスプレイヤーとしてはショックです……傷が残ったら、ファンデーションで隠そうかな。
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