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ニコ動は売り上げ7割増、赤字も拡大 ドワンゴ上半期

» 2009年05月13日 07時00分 公開
[ITmedia]
photo ニコ動会員数の推移(決算短信より)。有料会員は08年9月から増加ペースが上がっている

 ドワンゴが5月12日発表した2008年10月〜2009年3月期(上半期)の連結決算は、前年同期に赤字だった最終損益が黒字に転換した。「ニコニコ動画」を含むポータル事業は売り上げが拡大したものの、先行投資がかさんで赤字も増え、「いまだ収益への貢献には至っていない」としている。

 上半期のポータル事業の売上高は前年同期比で68.9%増の13億5800万円に成長した一方、営業損益は8億8700万円の赤字となり、前年同期(5億9400万円の赤字)から赤字幅が拡大した。

 ニコ動は昨年12月に「ββ」にバージョンアップし、主に公式コンテンツによる「ニコニコチャンネル」は3月末時点で131チャンネルがオープン。有料の「プレミアム会員」数は同時点で31万1000人になったほか、広告やEC収入、有料動画サービスが「着実に売り上げに貢献し始めている」。だが会員数増加に伴う設備投資、回線費用、サービス開発費用などの先行投資がかさんだ。

 同社全体の売上高は前年同期比6.0%増の132億1000万円。着うた・着うたフルサイトで会員数が堅調に拡大した一方、ゲーム事業は「侍道3」「喧嘩番長3」「Midnight Club:Los Angels」が貢献したものの、その他のタイトルが全般的に計画未達だった。

 販管費は52億8300万円と、前年同期比で2.9%減に抑えたが、そのうち広告宣伝費は18億2800万円と22.7%増に。「ゲームソフト発売に伴う広告や、ニコニコ大会議の開催による」という。営業利益は12.8倍の4億1200万円、経常利益は6.4倍の3億8900万円。最終損益は2億1800万円の黒字となり、4億9300万円の赤字だった前年同期から黒字転換した。

 通期の連結業績予想は据え置き、売上高は289億円、営業利益は4億2000万円、経常利益は4億1000万円、純利益は2億8000万円。

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