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エプソン、10万円以下の低価格プロジェクターを本格展開 4機種発表

» 2009年08月21日 07時00分 公開
[ITmedia]
photo 実売7万円台後半のXGAモデル「EB-X8」

 セイコーエプソンは8月20日、実売10万円以下の低価格帯プロジェクター4機種を9月中旬に発売すると発表した。国内プロジェクター市場が伸び悩む中、必要十分な機能を備えた安価な製品の販売数が拡大しているのに対応。低価格帯製品の販売数は昨年度の2.5倍増を見込み、現在トップの市場シェアをさらに拡大したい考えだ。

 発表した低価格帯製品は、ワイドXGAの「EB-W8」、XGAの「EB-X8」、SVGAの「EB-S8」、SVGAの「EB-S62」。それぞれオープン価格で、実売予想価格はEB-W8が8万円台後半、EB-X8は7万円台後半、EV-S8は5万円台後半、EB-S62は4万円台後半と、それぞれ10万円以下に抑えた。

 従来機種から小型軽量化・高光束化を図ったほか、本体操作パネル・リモコンの日本語表記、USBケーブル1本でPCと接続できるUSBディスプレイ機能、すぐに片付けられるダイレクトシャットダウン機能、排気が横の人にかからない前面排気機構など、同社製プロジェクターの特長機能を装備。価格を抑えた低価格モデルながら、同社ならではの使い勝手の良い機能を備えることで他社の同クラス製品と差別化を図っている。

 このほか、書画カメラに対応した文教市場向けモデル「EB-85」(17万8000円)と「EB-826W」(19万8000円)も10月上旬に発売する。

10万円以下が市場の6割に

 「10万円以下の製品の構成比が伸びている。必要十分で良いものが売れているという感覚だ」──エプソン販売の中野修義マーケティングセンター長は現在のプロジェクター市場をこう解説する。

 景気低迷の影響で、2008年度の国内プロジェクター市場は前年度から縮小に転じたが、低価格帯製品が占める割合は拡大。10万円以下の製品が市場で占める割合は08年度上期は半分程度だったのが、下期には6割にまで上昇した。そう遠くない将来に姿を消すと思われていたSVGAモデルの販売数も増加した。

 新製品は10万円以下の市場向けに、「ハイスペック・多機能より必要十分なスペック・機能」をコンセプトに開発。その上で同社ならではの使いやすさも付け加え、「値段以上の価値」をビジネスユーザーにアピールしていく。

 安価な製品は利幅も薄くなるが、高温ポリシリコンTFT液晶パネルや投写レンズなどのキーパーツを内製化するなどしてコスト削減を徹底。「収益性は厳しいが、ボリュームは魅力」(セイコーエプソンの森山佳行映像機器事業部副事業部長)と販売台数拡大を期待し、発売後1年間で4万台の販売を目標に掲げる。

 08年度の同社世界シェアは22.8%、国内シェアは32%とそれぞれトップ。国内は14年連続でトップシェアを維持しており、ユーザーの支持は厚い。今後、ボリュームゾーンへの本格展開で国内シェア40%以上への引き上げを目指していく。

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