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「文字列にほれた」――2人の“Twitter婚”物語(1/2 ページ)

» 2009年08月24日 10時36分 公開
[宮本真希,ITmedia]

 「つい婚」――「Twitter」で知り合い、今年3月29日に入籍したカップルがいる。

 恋は、「文字列にほれて」始まった。

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 夫はchank(ちゃんく、33)さん、妻はchanm(ちゃんみつ、32)さん。東京と長野という離れた場所に住んでいた。会話は、Twitterや「Skype」のテキストチャットが中心だった。付き合い始めたのは昨年9月。その2カ月後には、chankさんがSkypeで結婚を申し込んだ。chanmさんは「じゃ、そういう方向で」とOKの返事をしたという。

 プロポーズの言葉は何だったのだろうか。2人とも「覚えていない」と笑って話す。「Skypeのログを調べれば、分かるかもしれないけれど……」(chankさん)

アカウント名が似ていたから

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 chankさんは都内に住むゲーム開発者で、3年前に友人と設立した会社で働いている。アニメも好きだ。ネットには「1日中へばりついている」(chankさん)

 chanmさんはネットとガジェット好き。暇なときは「だいたいPCの前にいるか、iPhoneをいじってる」(chanmさん)。結婚前は、故郷の長野で事務職の仕事に就いていた。

 chanmさんがTwitterを始めたのは2007年4月。「はてなブックマーク」などでTwitterが話題になっているのを知り、「流れに乗って始めてみた」(chanmさん)と振り返る。

 一方、chankさんは昨年2月、友人に勧められてTwitterを始めた。似た趣味を持っていそうなユーザーを探して次々にフォローした。Twitterユーザーのオフ会に参加したこともある。


画像 chanmさんのTwitterページ
画像 chankさんのTwitterページ

 Twitterで2人が知り合ったのは昨年5月。当時、2人はそれぞれフォローしているユーザーが300人ほどおり、その中に何人か共通のユーザーが含まれていた。chankさんは、ユーザーのつぶやきを追ううちに、自分と1字違いのアカウント名のユーザーがいることに気付く。それがchanmさんだった。

 アカウント名が似ているからという理由で、chankさんはchanmさんをフォローした。chanmさんもしばらくして、chankさんに気付き、お互いフォローし合うように。共通のユーザーを交え、同じ話題についてつぶやいて盛り上がったり、お互いのつぶやきに返信することが次第に増えていった。

「文字列にほれた」

画像 chankさんはスマートフォン「Advanced/W-ZERO3[es]」(WS011SH)を愛用

 好意を持ったのはchankさんからだ。chanmさんが書くつぶやきやブログの文章を読むうちに、気になる存在になっていた。chanmさんの「読む人に気を遣った、誰からも敵意を持たれないような言葉遣い」(chankさん)に興味を持った。「文字列にほれた」と、chankさんは打ち明ける。

 chanmさんがTwitterで「Thinkpad X61のメモリが足りない」とつぶやくと、chankさんは「メモリ余ってるけどいる?」とダイレクトメッセージ(DM)を送った。これをきっかけに、DMを使ったやりとりが増えたという。その後、SkypeのIDを教えあい、テキストチャットも楽しむようになった。

 chanmさんは「人の好意にはあまり気付かないほう」だと自己分析する。初めは、顔も本名も年齢も知らないchankさんを特別に意識しておらず、大勢いるフォロワーの1人にすぎなかった。だがTwitterやチャットで会話を続けるうちに、「気を遣わせない話の振り方をする人だな」という印象を抱くようになっていた。

 初めて実際に会ったのは昨年9月。Skypeでチャットをしていたとき、chanmさんがchankさんに長野に遊びにくるよう誘った。

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