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“口が臭いほど強い”ゲームや“1人座禅”を体験DIGITAL CONTENT EXPO 2009

» 2009年10月23日 19時26分 公開
[小笠原由依,ITmedia]

 CGなどデジタルコンテンツを利用した作品約70点が展示されている「DIGITAL CONTENT EXPO 2009」(10月25日まで、日本科学未来館など)で、口臭で敵を倒すゲームや、“1人座禅システム”などを試せる。

お菓子を食べて敵を倒せ 「Back to the mouth」

photo 「Back to the mouth」

 口臭を使って敵を倒す吹き矢ゲーム「Back to the mouth」を、金沢工大学園・小坂研究室が出展していた。ゲーム画面に登場する敵キャラを吹き矢で倒すという簡単なゲームだが、敵を倒すために必要なのは肺活量ではなく口の臭さだ。

 コントローラーは、先端にWiiリモコンが仕込まれた筒状の“吹き矢”だ。筒に息を吹きかけると、リモコンから伸びたホースを伝ってにおいセンサーが口臭を感知し、攻撃力を決定。Wiiリモコンの位置で、吹き矢の狙いが決まる。


 ゲーム台の前には、するめやチョコレート、ポテトチップスなど攻撃力を補うためのアイテムが置いてある。敵を倒すのに苦戦したときは、用意されたお菓子を食べて攻撃力を高める。

photo 吹き矢の先にはWiiリモコンが入っている
photo お菓子が大量に置かれている

 記者もやってみたところ、なかなか楽しい。何も食べない状態で吹き矢をふいた所「もっと臭く!」と出て少し安心。自分の臭さは、4段階のゲージとして画面に表示されており、物を食べるたびにゲージが上がり攻撃力が上がっていく。敵を倒しやすくなるのはいいが、非常に複雑な気持ちになる。

 子どもの嫌いな食べ物を置いて遊ぶと、好き嫌いの解消にもいいとか。「ゲームが絡むと子供たちは、夢中で嫌いなものを食べる」という。

1人でも座禅を体験できる「The 禅」

photo 「The 禅」を試す来場者

 禅寺や道場以外では体験しにくい座禅を1人でも行える「The 禅」を、札幌市立大学デザイン学部と公立はこだて未来大学システム情報科学部が共同で展示していた。

 座禅を組み、手に電極を貼り、ヘッドフォンを装着すると準備OK。ストレスや緊張を感じた際に起こる精神性発汗を電極で検知し、ユーザーの心身が落ち着いているかを測定。座禅に集中し、完全に落ち着いたらクリアだ。

 ヘッドフォンからは集中を乱す“邪魔者”が聞こえてくる。男性のつぶやく声やハエの飛ぶ音、鐘の音などで、最初はたくさんの音が入り乱れて流れているが、集中が高まると1つずつ消え、無音になった時点でクリアとなる。


photo 手に電極を貼る
photo 利用者の耳に何が聞こえているかがディスプレイに映される。集中すればするほど、聞こえる音が減る

 記者もやってみたが、耳元から聞こえる声や音が気になり、まったく集中できなかった。雑念が多いようだ。3分程度続けたが結局リタイア。「早いと1分程度でクリア。長いと10分程度かかることもある」という。10分か……。忍耐力と集中力が欲しい。

フォトリポート

 振動を記憶・再生する傘型デバイスなど、さまざまな作品が展示されていた。写真でリポートする。

photo 晴天や室内でも、大降りの雨やバケツで水をかけられた感覚などを味わえる傘を、大阪大学大学院情報科学研究科が出展。振動を記録・再生する傘型デバイスで、雨の日などに記録した振動を再生する。内側にはコイルと磁石が付いており、スピーカーとほぼ同じ機構で、電磁誘導を利用して振動を記録・再生する
photo 「サザエさん」でカツオが耳を引っ張られて怒られる様子を見て思いついたという「耳けん引型ナビゲーションデバイス」。コントローラーを目的の方向に倒すと、そちらに動くよう耳がひっぱられる
photo 3本足で立ち、人が乗れるロボット「メディアビークル」。外部から無線コントローラーで前後左右に動かしたり、高さを変えたりできる。コントローラーはカメラ付き。撮影した映像は、メディアビークル内のディスプレイでリアルタイムに再生されるため、中に乗っている人は、コントローラーを持っている人の手の上でもてあそばれているような体験ができるという

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