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» 2010年05月26日 14時27分 UPDATE

ブロガーに最大300万円の援助 ライブドア「奨学金」でアルファブロガー育成

ブロガーに最大で年間300万円を返還不要で支給する「ブロガー奨学金」制度をライブドアがスタートし、“奨学生”の募集を始めた。生活費の援助でブログ運営に没頭してもらい、アルファブロガー予備軍を育てるのが狙いだ。

[小笠原由依,ITmedia]
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 ライブドアは5月26日、ブロガーに年間最大300万円の資金を返還不要で援助する「ブログ奨学金」の“奨学生”募集を始めた。金銭的な援助だけでなく、アクセス向上講座といった参加者向けセミナーも予定。影響力のあるブログを書くアルファブロガー予備軍を育て、メディア力の強化を目指す狙い。

 応募条件は、月間1万ページビュー(PV)以上のブログを1つ以上運営し、「得意分野・専門分野の情報を発信することで、世の中に役立ちたいブロガーであること。同社で審査した上で受給種別を決め、「特待生」には年間300万円を支給。「第1種」には年間120万円、「第2種」には年間60万円、「第3種」には30万円を支給する。返還義務はない。

 ブログの将来性や成長性を現在のPVや内容、奨学金受給後のビジョンなどから審査し、「今後のブログの未来を背負うと判断」したブロガーに支給する方針だ。支給対象になった場合、応募ブログは「livedoor Blog」に移転するのが条件となる。

 第1期生の募集は8月26日まで。詳細は同社サイトで。

ブログに没頭するきっかけを作る

 ブログサービスの提供者がブロガーに対して金銭的な支援をするのは日本初という。「影響力の強いブログが集まっている」(同社のブログビジネス部長の佐々木大輔さん)という同社の優位点をさらに伸ばすため、アルファブロガー予備軍を集めてメディア力を拡大するのが狙いだ。

 奨学金は「ブロガーの将来性への投資」(佐々木部長)だ。出版不況などの背景から、文章を書きたい人が定期的に収入を得ながら執筆・発表を続けられる場が少なくなっているが、佐々木さんは「それでも書きたいと思っている人は減っていないと思う」という。こうした人々にブロガーとしてお金を稼いで生活をするという道もあることを知ってもらい、「アルファブロガー予備軍を金銭的に援助することで、彼らがブログに没頭するきっかけを作る」という。

 書くのに集中してもらうため金銭的に援助をする、という案は1年ほど前からあった。「東京・八王子のアパートで書くだけで暮らせるような環境を提供するにはどうすればいいか、なんて考えてました。月に30万円とか10万円くらいあれば家賃の足しになるかなって」(佐々木さん)。具体化を進めるうちに“奨学金”というコンセプトが固まったという。

photo ライブドアの薮田孝仁マネージャー

 月間1万PV以上を稼ぐブログ、という条件を設けたのは、ユーザーのやる気を測るため。それだけのアクセスを得ているブログはコンセプトを絞り、更新を定期的に続けているものが多い。とはいえ月間1万PVはそれなりに高いハードルだが、「やる気さえあればできる」(ブログビジネス部マネージャーの 薮田孝仁さん)という。

 ブログの運営方法を教える講座の開講も検討中。有名ブロガーを呼び、アクセスアップ方法を教えるセミナーなどを実施する予定。奨学生ブログの月間PVを10万まで伸ばすのが目標だ。


photo ライブドアの佐々木大輔部長

 佐々木さんは「いま面白いブログの書き手が30〜40代に集中している。このままではそのうちネットで面白いことを書く人がいなくなるかもしれない」と危ぶむ。

 「アルファブロガーと呼ばれる面白いコンテンツを作る人たちは、黎明(れいめい)期からネットを続け、ネットの成長とともにアクセスアップの方法などを学んできた。ブログ運営の知識も経験もあるため、ブログだけでも生きていける。若いネットユーザーは、ブログで独り立ちする方法が分からないケースが多く、アルファブロガーになるためのいくつかの階段を設けてあげなくてはならない」(佐々木さん)

 ブロガーとして生きるための入り口として、ブログ界の新人賞を設け、新人ブロガーを表彰するという取り組みも予定。受賞者のプロモーションは同社が全力で行うという。

 佐々木さんは、ブログ事業の運営では「書き手を大事にする取り組みが必要」とも語る。ブログは書き手によって日記にもニュースサイトにも小説にもなる。面白さは書き手に依存する。「面白いブログを書くユーザーにとって使いやすく、ブログを続けてもらえる仕組みや演出をがんばらないと、ネット上に物を書く人がいなくなってしまう」

 こうした取り組みを続けるうちに「いつかアルファブロガーを目指す小さい子が現れたらいいな、なんて話してます」と薮田さんが笑うと、佐々木さんは「そうそう、『僕は、ハイパーブログクリエイター』になりたい! みたいな」と応じた。日本初の取り組みを通し、ブログ界の新たなスター発掘を期待している。

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