ニュース
» 2010年08月27日 07時00分 UPDATE

「日本でも成功する」 “史上最速”成長企業・GrouponのCEOに聞く (1/2)

「ネットの力で世界のローカルビジネスを活性化したい」。史上最速で成長したとも言われるGrouponのCEOはこう話す。米国や欧州を攻略したノウハウで、日本でもリーダーシップを取っていくという。

[岡田有花,ITmedia]
画像 メイソンCEO

 「ネットの力で、世界中のローカルビジネスを活性化したい」――クーポン共同購入サイト「Groupon」を運営する米Grouponのアンドリュー・メイソンCEOはこう話す。

 Grouponは2008年に事業をスタートし、今年の売上高は3億5000万ドル(約300億円)、企業価値は13億5000万ドル(約1150億円)に上るとも報じられている。日本を含む約30カ国に進出するなど猛スピードで拡大。米メディアでは「史上最速で成長したネット企業」とも報じられている。

 その実績から、スーツ姿で飛び回る饒舌なCEOをイメージするかもしれないが、このほどあわただしく来日したメイソンCEOは、ラフなポロシャツ姿。初対面の記者に冗談を飛ばし、難しい質問にも言葉を探りながら誠実に答えようとする29歳のいたずら好きな若者だ。

 Grouponの成長の秘訣は、そのスピード感とブランド力、ユニークさにあるという。Groupon型サイトが乱立している日本でも「リーダーシップを取れる」と自信をみせる。

Grouponは「客をだまさない」

画像 シカゴ地域のGroupon

 Grouponは、地域を限定したクーポンのフラッシュマーケティングサイトだ。飲食店やエステサロンなど地域のリアル店舗で提供されているサービスを割安に利用できるクーポンを、1日1地域当たり1件のみ販売。購入申込数が最低ラインに達しない場合はクーポンは発行されない。

 初期費用は不要。クーポンが発行されない場合、店舗の費用はゼロだ。Grouponは、クーポンの売り上げの50%を受け取っているとされる。「店舗はリスクフリーで新規顧客を獲得でき、お得なクーポンを手に入れられる。経営者にも消費者にもベストなサービス」とメイソンCEOは自負する。

 Grouponは「自分たちが欲しいと思えるクーポンしか販売しない」という。「従来は、客をだますようなクーポン業者も多かったが、Grouponのスタッフは、そういった業者にはいないタイプ。ビジネスを通じて、世界をより良くしたいと思っている」。

画像 “Groupon猫”のコラム。Groupon猫グッズも大量に販売している。メイソンCEOの家には猫が20匹いるという

 米国では「Grouponはお買い得」というイメージが定着しているようだ。特に大都市では日々、数百〜数千のクーポンが売れており、地域によってはクーポンを発行したい店舗が殺到、掲載を断っている状態という。

 大学では音楽を専攻し、ロックバンドを組んでいたこともあるメイソンCEOはクリエイティブなサイト作りが好きで、「スタッフもみんなクリエイティブ」。クーポンを魅力的に紹介するキャッチーな文章や、“Groupon猫”がつぶやくという体裁で毎日更新される、クーポンに合った内容のユニークなコラムも人気だ。


画像画像 メイソンCEOはいたずら好きで、Twitterの壁紙もユニーク。09年のエイプリルフールには、「猿の1週間レンタルサイト」のジョークページを公開、自ら踊ってみせた

「マネタイズに悩んでいた」 Grouponの発端

画像 The Point

 Grouponのビジネスを発想したのは、「The Pointのマネタイズに悩んでいたころ」。The Pointは、同じ目的を持った人がネット上で集まって署名を集めたりお金を出し合ったりできるサービスだが、広告収入を集められずビジネス面では苦戦。「サイドビジネスとして」The Pointの集客力を生かした共同購入サービスを始めたという。

 「今までの共同購入サイトやECサイトとは違うものを売ろう」と、地域限定にこだわった。地域を限定することで、ほかのECサイトとは違うユニークなものが販売できるはずだと考えたのだ。

 現在、Grouponで販売しているのは、飲食店やエステ、劇場など地域店舗で使えるクーポンのみだが、当初は「Tシャツやスリッパなども売っていた」。こうしたコモディティーの値引きでは大手流通企業など並み居るライバルの調達力に勝てないと判断。店舗のクーポンに特化したことが急成長につながった。

「常に自らをプッシュし続けている」――「史上最速」の成長

 Grouponの拡大ペースは急速だ。売上高や企業価値の成長ペースは「史上最速」と報じられ、創業2年で全米約90都市をカバー。約30カ国に進出と、拡大ペースはすさまじい。

 「われわれは常に、今よりさらに早く動けるよう自らをプッシュし続けている」。カバーエリアの拡大ペースは、当初は1カ月につき1都市だったが、翌月には2都市、その次は12都市……と加速してきたという。

 世界進出は「現地の事情をよく分かっている現地企業と一緒に展開するのが早道」と、現地企業と手を組んで展開。今年5月には欧州のGroupon型サービス運営するCitydealを、8月には日本のクーポッドとロシアのクーポン共同購入サイト「Darberry」を買収した。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -