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Force.comの進化は開発言語や環境、デバイスの制限からユーザーを解放するDreamforce 2010 report

» 2010年12月09日 08時00分 公開
[石森将文,ITmedia]

 12月7日に行われた、米salesforce.comの年次カンファレンス「Dreamforce 2010」の基調講演では、同社CEOのマーク・ベニオフ氏によりForce.comのアップデートが予告された。新生Force.comの発表前日に、プロダクトマーケティングディレクター、Andrew Leigh氏に話を聞いた。


salesforce.comのプロダクトマーケティングディレクター、Andrew Leigh氏

――新しいForce.comのプレビューを教えてください。また競合に対する優位点はどこにあると考えていますか。

Leigh ここで言えるのは「Force.comにとって自然な進化を遂げるだろう」ということです。例えばわれわれのCRMサービスは、まず開発環境を標準化し、次いでAPIもオープンにしてきました。このオープン化の流れが、Force.comにももたらされることになるでしょう。

――企業ユーザーには、クラウドに興味を持ちつつも信頼性の観点から足踏みしてしまうする向きもあります。

Leigh そのとおりです。クラウドはここ50年ほどの産業界において、最大の社会的変革だといえますから、ある程度慎重に取り組む必要があるでしょう。反面、2015年までに企業が保有する情報資産の約50%がクラウドに移るという、調査会社のレポートもあります。その時は、情報(データ)の定義も変わるはずです。

 具体的には3〜4年前に、データに対しフィードとかプロフィールといった属性を加えることが考えられたでしょうか? 企業が活用しやすいデータの定義は変わり続けますが、われわれの競合製品は20年前の技術によるもので、現在にはそぐわず、こういった社会的変革を支えられません。もちろんわれわれ自身も、サービスのアップデートを迅速に行っていく必要があると認識しています。

 このように過去のものは廃止し、Force.comのような革新的なプラットフォームを提供して顧客企業の利益に供することが、クラウドのエバンジェリストを務めてきたsalesforce.comの役割なのです。実際、日本郵政などは、長きに渡りsalesforce.comのサービスで効果を挙げています。

――同じクラウド業界の競合に対してはどのようなアプローチを取りますか。

Leigh salesforce.comは、文字通りクラウドコンピューティングの先駆者です。競合が参入する前から、マルチテナント型のクラウドサービスにおいて、巨大なトランザクションをこなしてきた“実証済みのクラウドプラットフォーム”であることを述べておきます。

 米Googleや米Amazon.comについては、競合であると同時に、同じクラウド業界における戦略的パートナーと位置付けています。Google App EngineやAmzon EC2はForce.comにプリインテグレーションされています。デベロッパーは言語やプラットフォームを問わず、なじみのある環境で開発できるのです。われわれは一貫したオープン戦略で、デベロッパーを支援します。実際Force.comには、基幹系を含む18万5000ものカスタムアプリケーションがホストされています。

 Force.comは、今後も「よりオープンに」進化していきます。本日発表したDatabase.comも、オープン化アプローチの1つなのです。

Database.comのオープン化というアプローチ。言語やプラットフォーム、デバイスを問わないクラウドネイティブなデータベースだというのがsalesforce.comの主張だ

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