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毎週50〜60人が入社、2週間に1度の目標上方修正──グルーポン・ジャパンも“史上最速”で急成長IVS 2010 Fall

» 2010年12月14日 16時29分 公開
[高杉貴,ITmedia]
photo グローバル本社からのプレッシャーの中、急成長している様子を説明するグルーポン・ジャパンCOOの野田氏

 史上最速で成長しているGrouponグループの中でも、フルスピードが目立つグルーポン・ジャパン。野田臣吾COOがGrouponの生い立ちから、ジャパン社の足元の加速度に至るまでを語った。

 2週間に1度、ベルギーからGroupon InternationalのCEOが来日し、その都度業績目標の上方修正を迫られる。また拡大に拡大を重ねる事業を支えるべく毎週50〜60人が入社し、毎週新入社員研修を繰り返すなど、常識では推し量るのが難しいスピード成長の内情が明らかになった。

約5カ月で累計割引総額30億円超

photo グルーポン・ジャパンの圧倒的なシェアを示すグラフ

 Grouponを成長させる“肝”とも言える戦略がある。国・都市別の対抗戦だ。

 2週に1度来日するGroupon InternationalのCEOは国別でトップのフランスを例に「お前たちは寝ているのか。市場規模で考えればフランスと東京とが同じくらいのはず。もっと頑張れ」と激を飛ばして帰国する。「必死になって(目標を)達成したのに……」(野田氏)と、一層高まった目標にまい進することになる。その結果、7月からの累計割引総額は30億円を超え、同業他社を圧倒しているという。また、月間のクーポン購入サイト閲覧者は50万人を超えた。

 急成長する事業を支えるべく、毎週月曜になると50〜60人が入社する。教育担当のセクションは“工場”にこもりっきりで毎週新人研修を行う。終わったかと思うとまた同数が入社。社員は、はや600人を超えた。人事の採用担当は月間1000人くらいの入社希望者を面接している。

世界展開は30カ国目前

 Grouponは北米の米国、カナダから始まり現在27カ国。30カ国を超えるのも目前だ。各地に設立されているクローンサイトの運営会社を買収する形で広がっている。日本では2010年6月に設立されたクーポッドを買収した。グルーポン・ジャパンはGroupon Internationalの傘下になっている。

「Groupon 2.0」は日本でも早期導入目指す

 「Grouponの特徴はいい意味でのマイクロマネジメント」(野田氏)。徹底してオペレーションをきめ細かくケアしていくのが信条だ。海外のGrouponと人材交流をしており、急拡大の中でも妥協を許さない環境を作っている。「『だいたいこの程度でいいかな』と思ってやると怒られてしまう」(野田氏)。今できることは今やり、きちんと対応していくという。

 米国のGrouponで始まった「Groupon 2.0」のGrouponストアでは各店舗が独自にクーポンを発行できるページを設けており、お店と顧客がクーポン販売後も対話できる環境を整えている。徹底した顧客主義を貫くグルーポン・ジャパンとしても重要なツールとして期待しており、「日本でも早く同様サービスを導入していく」(野田氏)考えだ。

 割引クーポンの販売期間はすぐ終わるが、クーポンの有効期限は6カ月、購入者や利用できるお店との関係は販売期間終了後も続く。有効期限までの間に得られるお店の評判などを踏まえ、「高評価のお店では2度目や3度目のクーポン販売を考えていく」(野田氏)という。

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