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» 2011年08月05日 17時10分 UPDATE

マルチプラットフォーム対応に向け前進した「MMDAgent」

音声インタラクションシステム構築ツールキット「MMDAgent」の最新バージョンである1.1を公開した。Macなどのマルチプラットフォーム対応を改良したのがポイントだ。

[松尾公也,ITmedia]

 名古屋工業大学国際音声技術研究所は8月3日、音声インタラクションシステム構築ツールキット「MMDAgent」の最新バージョンである1.1を公開した。Macなどのマルチプラットフォーム対応を改良したのがポイントだ。

photo 最新版の配布が始まったMMDAgentサイト

 名古屋工業大学国際音声技術研究所の徳田恵一教授、李晃伸准教授、大浦圭一郎特任助教ほかからなるプロジェクトチームは、昨年9月のCEATECでMMDAgentのプロトタイプを披露。MMDを使った初音ミクの3D映像で、人の話し言葉にリアルタイムで受け答えしてみせた。このコードは昨年末にβ版がオープンソース化。MMDAgentを使ったシステムは名古屋工業大学で等身大受付嬢として実稼働している。

 これまでのMMDAgentはWindowsに依存した部分が多かったために、Mac OS X、Linuxなどの他プラットフォームへの移植が難しかった。MMDAI(しまぴょん氏が開発)というフォークプロジェクトでは、WindowsのみならずMac、Linux向けに移植されているが、Windowsへの依存部分を置き換えるのに苦労していた様子だった。

 今回のMMDAgentバージョン1.1では、Windowsへの依存性の高かったコードをGLFWに置き換え、MinGW、Mac OS X、UNIX系システム向けのサンプルmakeファイルが追加された。また、一部のOS依存機能は削除されている。

 Macについては、Mac mini(32ビット)で、Mac OS X 10.5.8(Xcode 3.0)という環境でのみコンパイルと動作チェック。Linuxについては、debian 5(32ビット、ファイルシステムEUC-JP)とubuntu 10(32ビット、ファイルシステムUTF-8)の2種で確認がされている。

 プロジェクトチームでは、「手が追い付かず、他のバージョンや64ビットでの動作確認はできていません。あくまでMakefileのサンプルと考えていただけるとありがたいです」と説明しており、64ビット化されたOS X Lionなどの環境向けにはユーザーが個々で対応する必要がある。バイナリ公開されているのはWindows版のみ。

 Xcodeで動けば次はiPhoneなどへの対応が視野に入ってくる。ということで、モバイル向け実装がこれでやりやすくなったか、聞いてみた。

 「音声合成部(Open JTalk)および音声認識部(Julius)については既にiPhoneやAndroidなどで動いていますし、それらを含むMMDAgentとしても前バージョンよりOS依存性が減少したため、より実装しやすくなったと思います。ただ、今のところわれわれの方で何かにポーティングしようという予定はありません」との回答だった。

 では、MMDAgentはこれからどのような方向に進化していくのだろうか?

 「まだまだ追加したい機能や改良したい点はたくさんありますが、本バージョンでとりあえずの基本機能は実現できたと考えています。今後、面白いスクリプトを作るクリエイターの方がたくさん参加していただけるようになれば、より魅力的な音声対話のための『生きている感』に必要な機能の要望も増えてくると思いますので,順次それらの要望に答えていけたらと思っています」

「また、そのようにして徐々に登場してくるスクリプト、つまり『音声対話コンテンツ』というものについて、具体的にどのように共有していくか、また、どのように関連アクティビティを盛り上げていくか、そのための方法や仕組みに関して我々も考えていきたいと思っています」

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