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MMDAgentがさらに進化して大学受付嬢に――等身大3Dメイちゃんが名工大の正門でご案内

» 2011年04月07日 19時00分 公開
[松尾公也,ITmedia]
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 昨年のCEATECで発表され、年末にはオープンソースとしてプログラムが公開された名古屋工業大学 国際音声技術研究所のMMDAgentが実稼働を始めた。名古屋工業大学の正門付近に「世界初の双方向音声案内デジタルサイネージ」が設置され、オリジナルの3Dキャラクターであるメイちゃんが身振りを交えて音声で案内する。

 CEATECでは大型液晶ディスプレイが1枚だったが、今回はパネルが2枚になり、右側には等身大のメイちゃんが、左側には案内コンテンツが表示される。学内イベント情報をタイムリーに案内し、訪問者が聞きたい情報を音声でたずねると、「まるで生きているかのようにジェスチャーやパネル表示を交えて音声で案内」する。

 このデジタルサイネージでは従来のMMDAgentの機能に加え、複数のカメラを用いた顔画像認識技術によるキャラクターの視線制御や、焦電センサーを用いた人体検知により、キャラクター側からの能動的な呼びかけにも対応。さらに、表示テキストや画像、発話テキスト、案内時のキャラクターのモーション、発話スタイルまで統合したコンテンツを、サーバから動的に更新できる。同大学情報基盤センターのデータベースに登録された学内イベント情報から、季節・時間・内容に応じた情報がタイムリーに案内されるという。

 MMDAgentは名古屋工業大学の国際音声技術研究所(徳田・李研究室が中心となっている)が開発した音声インタラクションシステム構築ツールキットで、音声合成ツールキットのHTS、音声認識エンジンのJulius、OpenGLベースの3Dシステムなどを組み合わせたシステム。

 オープンソース公開後、さらに可搬性を高めたMMDAIを通してMac OS XやLinuxへも移植されており、iPhone、Androidなどモバイルプラットフォームへの対応も見え始めている。また、人工無能と連動させるProject-NAIPも生まれている。

 ニコニコ動画やYouTubeでは初音ミク、メグッポイド、重音テト、ウルトラの母など、MMDベースのさまざまなモデルが登場した動画が投稿されている

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