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Amazon、「Kindle Fire」専用クラウド利用ブラウザ「Silk」を発表AWSのEC2を動的に活用

» 2011年09月29日 07時18分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]
 fire

 米Amazon.comは9月28日(現地時間)、同日発表したタブレット端末「Kindle Fire」専用のWebブラウザ「Amazon Silk」を発表した。Amazon Web Services(AWS)のクラウドサービス「EC2」と連動することで、PCと比較して低スペックなKindle Fireでも高速で快適なWebブラウジングを実現できるという。

 Silkのソフトウェアは端末とEC2上の仮想サーバの両方に常駐することから、AmazonはSilkを“split(分割)”ブラウザと呼ぶ。Silkは、ユーザーからのリクエストをどちらのサブシステムで処理するかを、ネットワークの状態や表示するページの複雑さ、キャッシュの場所などから動的に判断する。ユーザーはまったく意識せずに、EC2のコンピューティングパワーを利用できるのだ。

 split

 Amazonによると、典型的なWebページは13もの異なるドメインが提供する80以上のファイルで構成されており、低性能なタブレットで無線経由で接続すると読み込みに時間がかかる。これをインターネットに常時接続し、CPUパワーも豊富なEC2で代行することで、タブレットのプロセッサやバッテリーに負担を掛けることなく読み込みを高速化する。

 また、Amazonが小売りサービスで培ったフィルタリングと機械学習アルゴリズム(“この製品を買った顧客はこちらの製品も買っています”など)を応用し、Silkはユーザーが次に読むWebページを予測して先に読み込んでおくという。ユーザーが実際にページを開くときには、既にキャッシュされたページをすぐに表示できる。

 なお、Silk(絹糸)という名称は、絹糸は細くて目にはよく見えないが、異なる物を非常に強く結び付けることができることに由来するという。

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