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Google、次期モバイルOS「Android 4.0」を発表 NFC利用の「Beam」機能も

» 2011年10月19日 13時51分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Googleは10月19日(現地時間)、韓国のSamsung Electronicsが香港で開催中の新製品発表イベントにおいて、次期モバイルOS「Android 4.0(コードネーム:Ice Cream Sandwich)」を発表した。

 両社は同日、Android 4.0を搭載する初のスマートフォン「GALAXY Prime」も発表した。同端末は日本ではNTTドコモが11月に発売する予定だ。

 現行のAndroid OSは、スマートフォン向け「2.3(コードネーム:Gingerbread)」とタブレット向け「3.x(コードネーム:Honeycomb)」に分かれているが、Android 4.0は「すべての端末向けの」OSになる。3.0の特徴であるアプリのラウンチャやホログラフのようなユーザーインタフェース(UI)、さまざまなウィジェットを置けるホームスクリーンなどがスマートフォンでも利用できるようになる。

 HoneycombのUIを継承し、スマートフォンでもハードウェアボタンがソフトウェアボタンに置き換えられた。画面の最下部分に常に表示される「システムバー」に「戻る」「ホーム」「最近使ったアプリ」の3つの仮想ボタンが並ぶ。最近使ったアプリのボタンをタップすることにより、2タップでアプリ間を移動できる。

 ics 1 左から、ロック画面、ホーム画面、「最近使ったアプリ」をタップしたところ

 ロックスクリーンでは、ロック解除せずにカメラを起動でき、メールの通知などを見ることができる。また着信電話にすぐに応答できない場合は、ロック解除せずに用意されたテキストメッセージを相手に送り、電話を切ることができる。

 さまざまな新機能が盛り込まれているが、その幾つかを紹介する。

カメラ機能

 ics 2 Live Effectsでビデオ撮影中に背景や人物の顔を加工できる

 カメラアプリが強化され、撮影から次の撮影が可能になるまでの時間が短くなり、シャッターラグもなくしたという。顔認識機能や画面をタップすることで焦点の位置を変えられる機能も搭載。手軽にパノラマ写真が撮影できる機能も追加された。ギャラリーアプリには写真編集機能が追加され、トリミングや回転、赤目修正、エフェクト追加などの編集がギャラリー内で行える。また、カメラアプリの「Live Effects」機能により、撮影中の動画にその場でエフェクトを追加できる。例えば、Google Talkのビデオチャット中に背景を変えたり、変な顔(Silly Facesという機能を使う)に加工できる。

NFC利用のデータ転送機能「Android Beam」

 「Android Beam」はNFC(Near Field Communication)を利用したデータ転送機能。Google Mapsの地図やWebページなどのコンテンツを表示したまま対応する端末同士を背中合わせに近づけて画面をタップすると、そのコンテンツを転送できる。アプリやゲームなど、転送先の端末にインストールされていないものを表示しておくと、転送先の端末にはそのアプリやゲームのダウンロードページが表示される。

顔認識によるロック解除

 「Face Unlock」は、顔認識技術により、持ち主の顔面を認識することでスクリーンロックを解除する機能。あらかじめ顔写真を登録しておき、端末の正面を顔に向けるとロック解除ができる。この機能はオプションで、失敗すると通常のパスワードによる解除画面になる。

連絡先・プロフィールの強化

 新たに「People」アプリが加わり、メール、電話、Google+やTwitter、LinkedInなどのソーシャルサービスといったさまざまなサービスで使う連絡先とプロフィールがここにまとめられる。発表イベントでは、プロフィールから連絡手段としてGoogle+を選んでメッセージを送るデモが行われたが、アプリ一覧にはFacebookはなかった。ユーザー自身の個人情報も「Me」プロフィールとしてPeopleアプリに含まれる。

 ics 5 新しいプロフィール画面(左)とFace Unlock

Webブラウザの高速化

 WebKitとV8の新版を採用したことにより、SunSpider 9.1のベンチマークで、「Nexus S」ではAndroid 2.3より35%、「GALAXY Nexus」では70%高速化したという。

 ics 3 ブラウザの速度比較

 また、PC版のGoogle Chromeブラウザとブックマークを同期できる。Webページを保存してオフラインで閲覧できるようになる。保存したページは、ブラウザのブックマークと履歴のビジュアルリストから検索し、開ける。

このほか、以下の機能が追加された。

  • Picture Galleryウィジェットでホームスクリーンから直接ギャラリーの写真を閲覧できる
  • ハードウェアボタンの組み合わせでスクリーンショットが撮れる
  • メールウィジェットで、着信メールをホームスクリーンで閲覧できる
  • 音声入力エンジンで、長いテキストを入力できるようになる

 Googleは、Android 4.0のSDKもリリースした。多くの新しいAPIを含む新SDKはAndroid Developersのサイトからダウンロードできる。

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