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» 2011年11月18日 13時00分 UPDATE

ネット×ドラマが生み出す「リアル」――異色ドラマの仕掛け人、鈴木おさむさんが語る (1/2)

モバイルゲーム内のユーザー動向が“原案”となり、ストーリーが展開される――そんな異色のテレビドラマが放送されている。番組の狙いや制作の裏側を、仕掛け人の鈴木おさむさんに聞いた。

[本宮学,ITmedia]
photo

 モバイルゲーム内のユーザーの動きに合わせて脚本が変わっていく――そんな異色のテレビドラマ「“ドラマ”私のホストちゃん 〜 しちにんのホスト 〜」が、10月4日からテレビ朝日で放送されている。番組はYouTubeでも全話公開されており、11月16日現在で総再生数は100万回を超えている。

 東京・歌舞伎町に所在するという設定の架空のホストクラブ「Club Vanilla」を舞台に、劇中では人気ナンバーワンを目指すホスト同士の熾烈(しれつ)な売り上げ争いが繰り広げられている。店内ではホストごとの「売り上げランキング」が毎月発表され、それがホスト同士の人間関係を大きく左右。番組内の1つの“見どころ”となっている。

 だが実は、このランキングの裏にはネットに関わる仕組みが。サイバーエージェントが運営するモバイルゲーム「私のホストちゃん 〜club vanilla編」には、ドラマ内のホストたちが実写で登場。ユーザーはゲーム内で好きなホストを「指名」し、お酒を貢ぎながらコミュニケーションできる。こうしてゲームの中で作られるホストの「指名客の数」や「売り上げ」などに基づくランキングが、ドラマの“原案”になっている。

フィクションと現実がぶつかる撮影現場

 “ドラマ”私のホストちゃんは、架空の内容をドキュメンタリー風に描く「リアリティドラマ」だ。番組内では一般客風の女性やホストたちのインタビュー映像を多数用いるなど、ドキュメンタリー手法を演出に取り入れたドラマとなっている。

photo 鈴木おさむさん

 構成・演出を担当しているのは、「クイズプレゼンバラエティー Qさま!!」「お願い! ランキング」など多数のバラエティ番組などを手掛ける放送作家の鈴木おさむさん。今回の番組制作に当たっては「テレビとゲームを面白く融合させる新しい形」を目指して構想を始めたという。

 そこで生まれたのが、ゲーム内で日々変動するランキング自体をドラマの原案にするというコンセプトだ。劇中のホストの相関関係において重要な意味合いを持つ売り上げランキングは、ゲーム内でのユーザーからの“指名”の数や、どれだけお酒を貢がれたかに応じて毎月変動。これにより、番組内ではそれまでランキング上位だったホストがあるとき突然最下位になるという“番狂わせ”も実際に起きている。

 「ランキングが初めて変動する回の撮影時、その時点でのゲーム内のランキングをホストに伝えたところ、撮影現場がものすごい空気になった。中には本当に泣いた役者もいた。自分の役がビリではなく、上位になったのが嬉しくて」(鈴木さん)

 さらに、年末のゲーム内ランキングで最下位になったホストは番組から「強制降板」になるという厳しいルールも用意されているという。

 「ドラマからクビになるということは、役者にとっては仕事がなくなるということ。つまり、ドラマという究極のフィクションの中に、本物のドキュメンタリーが入っている。番組内容はコメディ風でふざけているが、少なくとも演じている役者は最後に絶対に泣くはず。そしてその感動は、視聴者にも必ず伝わると信じている」(鈴木さん)

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