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はてながいま、「はてなブログ」を作る理由(2/2 ページ)

» 2011年11月25日 14時03分 公開
[榊原有希,ITmedia]
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photo 「短いつぶやきでは伝えきれない気持ちを、ちゃんと書き残しませんか」

 そこで、ユーザーにとって気になるのは、ダイアリーとの関係だ。「ダイアリーと『はてなブログ』のユーザー層を分けて考えてはいません。センターは同じで、半径を広げたい。半径を広げられない理由としてシステムが難しかったのなら、サービスで取り除くというのが、『はてなブログ』です」と近藤社長。

 大西さんも「はてな全体のユーザーは男性が7割。ダイアリーは30代の男性が中心で、ギークな人や文章を書く人が使うというイメージがあるのも事実ですが、普通の日記をつづっている人も多い。そういう層を増やせれば」と話す。「はてなブログ」では、従来のはてな記法も利用可能。ダイアリーの代替となり得るサービスに成長すれば、ダイアリーから「はてなブログ」への移行プランも用意したいという。

 現在、「はてなブログ」は招待制で、ユーザー数を限定して運営しているが、寄せられたフィードバックは好評。「こちらが思っていたより大きな反響を頂いています。『今更ブログかよ』と言われるかなと思っていたのですが、『ちゃんと文章を残そう』というメッセージに共感したという声に心強く思っています」と大西さん。「招待された人の7割がブログを書き、アクティブな状態が続いている。新しくブログを作るというのは、決心が必要だけれど、ブログはまだまだここから始まると考えています」と近藤社長も手応えを感じている。

「基本的に芯はぶらさない」

 今後、「はてなブログ」は、文中のキーワードが自動的にリンクされるダイアリーの仕組みをリニューアルして新機能として導入、スマートフォン向けアプリも計画している。「作っているうちに違うものになる可能性はありますが、ブログにネタとなるような記事を提供して敷居を下げれば、もっと書いてもらえるのでは」と近藤社長。公開範囲の設定やデータのインポート、エクスポート機能など、ユーザーからのフィードバックを参考にしながら、「はてなブログ」ならではの機能を検討中だ。

 また、「はてなブログ」以外にも、はてなから大型のリリースが相次いでいる。11月10日には、女性が読んで楽しめるはてなブックマークの話題を紹介するiPhoneアプリ「B!KUMA girls」、11月22日には、Twitterやfacebookの友人が話題にしている記事を見られる「はてなブックマーク」の新ユーザーページを招待制で公開した。近藤社長は「ユーザーを拡大してゆくために、いろいろな作戦を考えていて、仕込んできたものがこの秋にたくさんリリースされています。『B!KUMA girls』はコンセプトを絞ったアプリで、はてなブックマークぐらいデータ量があると、女性という切り口だけでも作れると思っていた。思った以上に好評を頂いているので、次の展開を考えたい」という。

 「基本的に芯はぶらさない。活発に使って下さっているユーザーがいるのが、はてなの強み。満足してもらうために製品を磨くのも大事。でも、今まで使っていない人に、はてなを使って頂くため様々な戦略を立てています。ひとつひとつのプロダクトでユーザーの半径を広げていきたいです」。はてなの攻勢はまだまだ続きそうだ。

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