――市民のFacebookの利用状況はいかがでしょうか。
樋渡市長 まず、九州地方の一般的な市町村では、Facebookを使っている人自体があまりいません。でも武雄市では、僕が2年半ほど前にブログポータル「たけおブログ」を立ち上げたのをきっかけに、もともとブログを利用してる人が比較的多かった。
こうした下地があって、Twitterも使って、さらに今はFacebookを使おうということになっている。だから人類がネアンデルタール人からクロマニョン人へと進化していったみたいに、いきなり北京原人が出てきたりはしないわけです。そういう意味では、今Facebookを使おうというのは自然な流れだと思っています。
――市民の中には、その進化の過程から取り残されている人もたくさんいるのではないでしょうか。
樋渡市長 ほとんど取り残されていると思います。例えば70代とか80代とかの人々がFacebookをそんなに使っているとは思えない。
でも、最近ではそれもかなり変わってきている感じがします。例えば市内の70歳の人がどのようにFacebookと向き合っているかというと、要はクルマと一緒で、自分で運転はできないけど“同乗”している。つまり、キーボードは打てなくても、家族の誰かがFacebookを使っているのを一緒に見たり、書き込ませたりしているわけです。
これまではFacebookというクルマの存在を知らなかったから、同乗すらしていなかった。それが今、みんながこういう便利なツールがあるってことを認識している。クルマの免許と一緒で無理な人には無理なのですが、同乗することはできる。それでいいんですよ。
――Facebookというツールがあるということは、市民の皆さんは知っているということですか。
樋渡市長 もちろん知っています。何しろうちでは市役所内に「フェイスブック係」を置いているぐらいなので。行政がそうやってフェイスブック係とかを作っているということが、市民みんながFacebookを知るきっかけになっているんじゃないかと思います。
――市の旧ページを利用していた市民は、Facebook移行後も満足しているのでしょうか。
樋渡市長 それはどうでしょうね、分かりません。満足している人がわざわざ「満足しています」とは言いませんからね。人は不満があるときに、不満だと声に出して言うわけです。そういう意味で、今「不満です」という声が出ないということは、みんな満足してるんじゃないかと楽観的に思っていますけどね。
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