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» 2012年02月14日 12時48分 UPDATE

個人コンテンツ販売の新時代を開くか 「Gumroad」で同人誌を売ってみる (1/3)

ソーシャルメディアにポストする感覚でさまざまなコンテンツを販売できる「Gumroad」が話題だ。実際にまんがの同人誌を販売し、サービスのポテンシャルを体感してみた。

[久我山徹,ITmedia]

 最近正式リリースされた米国発のサービス「Gumroad」が話題になっている。さまざまなコンテンツを簡単に販売することができるプラットフォームで、うまく活用すれば個人クリエイターの強力な武器になるかもしれない。実際にまんがの同人誌を販売して、新サービスのポテンシャルを体感してみることにした。

photo 漫画家・うめさんの作品販売ページ

 Gumroadは19歳というサヒール・ラヴィンギア氏が立ち上げたベンチャー。有力ベンチャーキャピタリストから110万ドルを調達してサービスをリリースした。ラヴィンギア氏はPinterstとTurntableアプリのデザイナーという。

 使い方は簡単で、ログインしてネット上のコンテンツのURLを指定するかコンテンツをアップロードするだけ。販売ページ用のURLが作成され、そこにアクセスすればクレジットカードでコンテンツを購入できるようになる。

 ここでは、ITmediaで「ITちゃん」を描いている無名同人シコタホAとともに実際に漫画の同人誌を販売してみよう。

悩ましき「ダウンロード販売」

 前提として、シコタホAはこのような問題に頭を痛めてきたという。

 同人誌販売を進めていくと、とにかく面倒なのが在庫の管理だ。流行がめまぐるしく変わる旬のジャンルでは短期間での売り切りが当たり前なのであまり関係のない話だと思うが、創作(オリジナル)や評論などは何年間にもわたる息の長い販売が可能だ。販売時期を長く見ておくと多めに刷ることになり、自宅で保管する在庫の管理は大変になる。シコタホAは最近、在庫をテトリスのように入れ替えて段ボール箱2つを減らすことに成功したが、大変な労力が必要だったという。

 ある本が売り切れた後でも、新しい読者から過去の本を欲しいと言われることもよくある。だがある程度の冊数を販売した後で再刷りに踏み切るのはリスクが高い。例えば1000冊を5年かけて売った後で、さらに100冊を再刷りしたとして、この100冊が全部売れるかどうかは分からない。1000冊というもう十分な数を売ってしまった後だからだ。それに100冊程度の刷り直しでは大概の場合、赤字になってしまう。

 シリーズものなどでは過去の巻も読んでもらえるように常に手元に用意しておきたいと思う。でも増刷には勇気と保管場所がいる。本当に悩ましい問題だ。

 これを一応解決できるのがダウンロード販売だ。データ入稿であれば元ファイルを、アナログ入稿であれば同人誌をスキャンするなどしてデジタル化し、ファイルを販売すればいい。

 よく使われているのは同人誌専門のダウンロード販売サイトだ。同人誌のデータ(PDFが多い)をアップロードして登録すれば、サイト側が手数料を上乗せした価格で販売を代行してくれる。ある大手サイトの場合、卸価格が200円の本は手数料300円が上乗せされて合計500円で販売される。作品以上の金額が手数料として徴収されるわけだ。

 大手ダウンロードサイトのトップページにアクセスしてみれば分かることだが、基本的には成年向けコンテンツがほとんど。一般向け(いわゆる健全本)を販売する場合、ガード下のエロ本屋に普通のアイドル写真集を置くようなもので、サイトの集客力はあてにならず、実際に健全本は売れない。従って自分のサイトから販売ページにリンクするなどして読者を誘導することになるが、となると手数料が割高に感じられてくる。

 一般向けに手軽に電子書籍を販売できるサイトもあるが、ここでも手数料がおおむね販売価格の30%という点が気になる。ダウンロード販売を即売会の補完として考える場合、必要なのはそう多くはない読者へのダウンロードの仲介と決済代行。考え方は人それぞれだろうが、大量のダウンロードが見込めない同人誌の場合、30%も手数料を支払う必要があるシステムはオーバースペックなのかもしれない。

 個人でコンテンツを販売する場合の問題は、ほぼ100%「決済をどうするか問題」に帰結する。CGIなどを使って自分のサイト上のコンテンツにアクセス制限を設定し、コンテンツにアクセス可能なパスワードを同人誌即売会で販売する──というネットとリアルのハイブリッド的手法をシコタホAは考えたものの、手間を想像するだけで面倒な気持ちになり、実行していない。

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