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「最もクリエイティブな国・都市」は日本・東京 でも日本人は自信がない──Adobe調査

» 2012年04月24日 16時29分 公開
[ITmedia]
photo 調査結果を表したインフォグラフィック

 「最もクリエイティブな国」は日本、「最もクリエイティブな都市」は東京──米Adobe Systemsによる「クリエイティビティー」(創造性)に関する調査でこうした結果が出た。日本は世界からクリエイティビティーを高く評価されているが、その日本人は自らをクリエイティブだとは考えていないという興味深い内容だ。

 調査は今年3月から4月にかけ、米国、英国、ドイツ、フランス、日本の18歳以上の成人5000人を対象にオンラインで実施した。

 「最もクリエイティブな国」として36%の回答者が日本を挙げ、米国の26%を10ポイント上回ってトップだった。英仏独では日本を挙げた人がトップだったが、米国と日本では米国を挙げた人が最多だった。

photophoto 「最もクリエイティブな国」。日本人と米国人は米国がトップ、英仏独は日本がトップ

 「最もクリエイティブな都市」として挙がったのは東京が30%。ニューヨークの21%、パリの15%を上回っている。英仏独に加え、米国でも東京だと答えた人がニューヨークを挙げた人を僅差ながら上回っていた。一方、日本ではニューヨークを挙げた人が最多だった。「日本以外では各国の人々が自国に対して持つプライドが明らかに示され、英、独、仏の回答者は自国とその都市が日本の次に最もクリエイティブであると考えていた」(同社)

photophoto 「最もクリエイティブな都市」

 ただ、自らを「クリエイティブだ」と考えている日本人は19%にとどまり、ダントツの最下位。平均では39%で、米国では52%がそう考えていた。自らのクリエイティビティーを発揮できているかどうかという質問に「はい」と答えたのも日本ではわずか17%にとどまった。クリエイティビティーが経済成長のカギになると考えている人も日本は最低(76%)だった。

photophoto 自分がクリエイティビティーを発揮できているか、自分がクリエイティブかどうか
photo 日本人はアートコミュニティーやエリートのクリエイティビティーに対する信頼が突出している

 全体の52%が「教育システムにおいてクリエイティビティーが抑圧されている」と感じ、また多くはクリエイティビティーは教育システムに必要だと考えているという。

 ケン・ロビンソン博士のコメント 本当にクリエイティブな人はほとんどいないという、大きな誤解があります。実際にはみな素晴らしい素質を持っています。すべての人がそれを開花できていないだけなのです。こうした誤解の要因の1つは、我々の教育システムが、学生に本来備わっているクリエイティブパワーを引き出せていないことにあります。それどころか均一性や標準化を推進しているのです。結果的に我々は、人々が持つクリエイティブの可能性を伸ばすどころかつぶしてしまっています。今回の調査で明らかになったように、クリエイティビティーよりも周囲と合わせることを優先するような人々を生み出しているのです。

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