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人間の歌い方をボカロで再現する“ぼかりす”、ヤマハが商品化 VOCALOID3向けプラグイン発売

» 2012年09月18日 15時28分 公開
[ITmedia]

 ヤマハは9月18日、人間の歌声をまねたなめらかな歌声を、音声合成ソフト「VOCALOID」で再現できる産業技術総合研究所(産総研)の技術「VocaListener」(ボーカリスナー)を商品化したと発表した。産総研からライセンスを受け、「VOCALOID3 Editor」用プラグイン「VOCALOID3 Job Plugin VocaListener」として10月19日に発売。VOCALOID STOREでダウンロード購入できる。Windows専用で、1万9800円。

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 利用には、VOCALOID3 Editorと「VOCALOID2」か「VOCALOID3」対応の日本語歌声ライブラリ、お手本の歌声を録音したWAVファイルと歌詞のテキストが必要。VocaListenerをインストールしたVOCALOID3 EditorにWAVファイルと歌詞を入力すると、お手本の歌声をまねた歌い方を再現できる。

 専用の操作画面を使い、マウス操作で音の高さや音量を加工したり、伴奏を聞きながら歌声合成パラメータを調整できる。お手本となる歌い方をどれくらいまねるかを8段階で調節できる機能も装備。音の高さは半音単位で移調でき、お手本の歌声が男性の低い声でも、女性の高い声にして合成するといったことが可能だ。

画像 専用の操作画面

 これまで、人間らしい自然な歌声をVOCALOIDで合成しようとすると、さまざまなパラメーターを手動で微調整(「調教」と呼ばれる)する必要があったが、VocaListenerなら見本の歌声を用意するたけで自然な歌声を合成可能。「ポップスやジャズ、クラシック、民謡、演歌など幅広い音楽ジャンルで、より人間らしい自然な歌い方を追求することが可能」としている。

 対応OSはWindows XP/Vista/7/8。日本語版OSでのみ動作する。

 同社は2009年、産総研からライセンスを受け、「VocaListener」を活用した一般向けサービスの実用化に取り組んできた。同年にはVocaListenerの簡易版をオンラインで試せる「Netぼかりす」をリリースしている。

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