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航空券に付着した微粒子を分析 爆発物を検知する搭乗ゲート、日立など開発

» 2012年10月03日 19時45分 公開
[ITmedia]
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 日立製作所と日本信号、山梨大学は10月3日、爆発物検知装置を内蔵した搭乗券読取装置(搭乗ゲート)を開発したと発表した。搭乗券として利用されるICカードや携帯端末に付着した微粒子を効率的に採取・分析し、爆発物の有無を1〜2秒で探知。1時間当たり約1200人の検査が可能という。

 ICカードや携帯端末を読み取り部にかざした際、付着した微粒子を高速の気流で採取。気流を発生させるタイミングや当て方、気流の速度を最適化することで、微粒子の剥離と回収を短時間で可能にしたという。

 回収した気体から微粒子のみを効率的に分離して貯めこむことができるサイクロン方式の遠心分離技術を採用。微粒子を短時間で濃縮して分析装置に送り込め、高感度な質量分析が可能になったという。電源系と制御系の実装を工夫するなどして小型化し、搭乗ゲートへの内蔵を実現した。

 航空機に搭乗する直前で、乗客の流れを妨げることなく全員を対象に検査でき、安全強化と利便性を両立させられるとしている。

 10月17日から東京ビッグサイトで開かれる「テロ対策特殊装備展2012」で、連続試験運転を兼ねた実機展示を行う。来年度から、公共交通機関で実証実験を行う予定だ。

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