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「スマホ時代はネットワークが鍵」と孫社長 ソフトバンク冬春スマホは「SoftBank 4G」対応・テザリングOK

» 2012年10月09日 16時21分 公開
[岡田有花,ITmedia]
画像 新作スマートフォンを持つ孫社長とCMキャラクターの面々。左から「Softbank 4G LTE」のCMに出演するEvery Little Thing(ELT)の持田香織さん、同伊藤一朗さん、孫社長、“アヤ”こと上戸彩さん、“お母さん”こと樋口可南子さん、“お父さん犬”ことカイくん、“お兄さん”ことダンテ・カーヴァーさん

 「スマホ競争時代、よりサクサク、快適、高速につながることが鍵になる」――ソフトバンクモバイルの孫正義社長は10月9日に開いた冬春モデル発表会で、ネットワークの重要性を強調した。同日発表したAndroidスマートフォン6機種は、下り最大110Mbpsの「SoftBank 4G」に対応。テザリングも可能だ。

 スマートフォン向けの映像・音楽配信サービス「UULA」(月額490円)や、スマートフォンをリモコンにできるテレビ向け映像配信「SoftBank SmartTV」も12月以降に展開。回線品質とコンテンツサービスで、スマホ時代の覇権を握りたい考えだ。

 冬春モデルとして発表したソフトバンクブランドのスマートフォンは、(1)Android 4.1を搭載し、4.9インチの大画面ディスプレイを備えた「AQUOS PHONE Xx(ダブルエックス) 203SH」(シャープ製、来年3月上旬以降発売)、(2)Android 4.1搭載で2420mAhのバッテリーを内蔵した「ARROWS A(エース) 201F」(富士通モバイルコミュニケーションズ製、来年2月上旬以降発売)、(3)電源オンから5秒で高速起動する「STREAM 201HW」(中国Huawei製、10月10日発売)、(4)薄さ8.3ミリに抑えたコンパクトな「RAZR M 201M」(Motorola製、10月下旬以降発売)、(5)女子中高生にターゲットを絞ったポップなな端末「HONEY BEE 201K」(京セラ製、来年1月下旬以降発売)、(6)25色のカラーバリエーションを用意した「PANTONE 6 200SH」(シャープ製、12月下旬以降発売)――の6機種で、すべてSoftBank 4Gに対応し、テザリングも可能だ。


画像 「AQUOS PHONE Xx」のデザインモック
画像 「ARROWS A」のデザインモック
画像 「RAZR」の実機

画像 Softbank 4Gと他社の高速通信回線とのスピードテスト結果を示す孫社長(データ出典はICT総研

 SoftBank 4Gは、ソフトバンク傘下のWireless City Planningが提供する、「AXGP」(Advanced XGP)網を利用したサービス。「次世代PHS」とも呼ばれた旧ウィルコムの「XGP」を引き継ぎ、下り最大110Mbpsで通信可能。「日本最高速のスピードを誇っている」と孫社長は胸を張る。カバーエリアは順次拡大しており、来年3月末までに政令指定都市の人口カバー率100%を達成予定という。

 Android用の「SoftBank 4G」と、iPhone用のLTE回線「Softbank 4G LTE」との2本柱で、スマホ用の高速通信回線を整備する同社。「世界最高レベルのネットワークを目指す」と孫社長は意気込む。

映像&音楽の「UULA」、テレビ向け「スマテレ」――コンテンツでも勝負

画像 松浦社長と孫社長。松浦社長は、エイベックス所属アーティストの浜崎あゆみさんがTwitterで孫社長に、「犬のお父さんと共演したい」と直談判し、「やりましょう」と実現したことを振り返り、「やらせでは、と言われたが、僕はあれをTwitterで知ったし、事前に何の許可もしてない。勝手に決まってて、プロダクションの社長としてはすごく困った」と苦笑していた

 ネットワークに加え、コンテンツでも勝負をかける。エイベックス子会社とソフトバンクの合弁会社・UULA(ウーラ)が12月から、月額490円のコンテンツサービス「UULA」を開始。映画やドラマ、アニメ、音楽PV、カラオケ映像など約5万タイトルが見放題になる予定だ。

 発表会に登場した松浦勝人エイベックス・グループ・ホールディングス社長は、「音楽業界の環境が激変している。人々が楽しんでもらえるものを作るのが僕らの仕事だが、人々に届けるという仕組みも僕ら自身で作らないといけない時期に来ている。この変化はひとつの大きなチャンスととらえ、ソフトバンクというすばらしいパートナーを得てチャンスを生かしたい」と意気込みんだ。ちなみにUULAは松浦社長の“浦”から取った名で、孫社長が命名した。孫社長がUULAの名を提案した時、松浦社長は「何と言っていいか分からず、ずっと下を向いて黙っていた」そうだ。


画像 孫社長が手にしているのがスマテレの端末。孫社長はスマテレの機能を上戸さんに熱心に説明するなど、かなり力を入れている様子だった
画像 スマテレを楽しむ白戸家の人々

 USBメモリのような小さな端末をテレビのHDMI端子に差し込むだけで、映画のレンタルや専門チャンネルの視聴ができる「SoftBank SmartTV」(スマテレ、月額490円)も、12月上旬以降に提供。「TSUTSYA TV」の新作映画など約4万本の映像作品(1本当たり100円〜)や、多チャンネルサービス「BBTV NEXT」の50以上の専門チャンネル(月額2625円)などをテレビに写し、ソフトバンクモバイルのスマートフォン(iPhone、iPad、Android)にインストールした専用アプリから操作できる。利用料金は携帯電話料金とまとめて支払える仕組みで、「最強映像サービス」と孫社長は自負する。

 ヤフーとの連携も強化。Yahoo!JAPAN IDとソフトバンク端末の電話番号をひも付け、電話番号でYahoo!にログインできるようにするほか、Android端末にYahoo!JAPANのアプリをプリインストールする。

 スマートフォン時代は、端末のハードウェアスペックや機能による差別化が難しく、キャリア間の競争はネットワーク品質やサービス・コンテンツ競争の色が濃くなっている。「競争は素晴らしいものだ」と孫社長。「ユーザー数、ネットワークのクオリティ、端末の品揃え、あらゆる面でバランスよく、負けないよう頑張りたい」と話していた。

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