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任天堂公式の“Wii U分解記事” CPUとGPUは1パッケージに

» 2012年10月11日 17時26分 公開
[ITmedia]
photo Wii U本体の心臓部はMCMに

 任天堂が公式サイトで公開した「社長が訊く『Wii U』」で、12月8日に発売する同ゲーム機本体の内部が紹介された。マルチコアCPUとGPUを1パッケージに搭載するMCM(マルチチップモジュール)を採用し、省電力化や本体の小型化に貢献しているという。

 岩田聡社長が開発スタッフなどにインタビューする恒例コンテンツで、第1回は本体のハードウェア面の話を内部パーツの写真などとともに取り上げた。メーカーが自ら最新ゲーム機の中身を発売前に紹介するのは珍しく、「発売直後に掲載される分解記事みたいですね(笑)」(岩田社長)。

 MCMの採用は「ローパワー、ハイパフォーマンス」を実現するのが狙い。初めて採用したマルチコアCPUによる効率のよい処理に加え、GPUとの1パッケージ化によってチップ間データ伝送の高速化や低消費電力化、ICパッケージのコスト低減、実装面積削減による本体の小型化が可能になるという。

 CPUは米IBMのPowerがベース、GPUは米AMDのRadeonがベースと、異なる工場製のチップをMCM化する場合、不具合が起きた際にその切り分けが難しいといったハードルがあったが、IBMとAMD、ルネサスエレクトロニクスと協力して乗り越えたという。任天堂の開発担当者は「これほど大量生産するもので、これだけのパフォーマンスのCPUとGPUが1つのパッケージに入っているものはあまり例がないと思います」としている。

 Wii UはWiiから3倍の発熱量があるといい、ヒートシンクやファンを大型化。本体内部のエアフローも工夫を重ね、熱実験は2000回を超えたという。

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