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» 2012年11月26日 15時13分 UPDATE

「競合を意識する暇はない」――“大きな商店街”目指す「LINE」、Facebook認証など大幅刷新 (1/3)

「機は到来したのかなと」。国内3500万、世界7600万のユーザーを抱える無料メッセンジャーアプリ「LINE」。そのユーザー層を土台として、Facebookアカウントによる認証機能や安価な企業向けアカウントなど「生活のインフラ化」に向けた機能を多数投入していく。

[本宮学,ITmedia]
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 「機は到来したのかなと」――NHN Japanは11月26日、無料通話&メッセンジャーアプリ「LINE」をリニューアルし、電話番号を入力することなくFacebookアカウントだけでも登録できるようにした。まずはAndroid版のみで同機能を先行公開し、近日中にiPhone版にも対応させる。

 LINEはこれまで電話番号での登録を必須とし、アドレス帳連携による友だち追加の利便性を前面に押し出してきた。新たに備えたFacebook認証機能では、端末固有の情報を使わなくてもログインできる環境を用意。プライバシー面に懸念を抱く人々などのニーズにも対応し、サービスの間口を広げる狙いだ。

 ディー・エヌ・エーの「comm」など他企業によるメッセンジャーアプリへの参入が相次ぐ中、11月に安価なビジネスアカウントサービス「LINE@」の提供や、ゲームプラットフォーム「LINE GAME」の本格展開など、矢継ぎ早のサービス投入で攻勢をかけるLINE。その背景にあるのは、世界7600万・国内3500万を超える圧倒的なユーザー数だ。

 「(ユーザー数が)一定のステージに来た」――こう話すのは、NHN Japanの舛田淳執行役員。月間500万以上のペースで増え続けるユーザー層を土台として、LINEのさらなる“インフラ化”に向けてさまざまな施策を打ち出していくという。「機が熟した……とは言わないが、機は到来したのかなと」(舛田執行役員)

「電話帳は預けられない」という声、認識していた

 個人の「電話番号」をキーに、知人同士でつながるメッセンジャーアプリとして2011年6月に登場したLINE。同年12月にグローバルで1000万ユーザーを突破し、今年11月には7600万ユーザーを突破するなど、国産Webサービスとしてはまれに見るスピードで利用者数を拡大してきた。

photo 舛田執行役員

 「リアルで親しい人同士がつながる」という当初からのサービスコンセプトを貫くため、これまではFacebookなど電話番号以外での認証機能をあえて搭載してこなかったという。一方、個人情報を“人質”にとられたくない――といった理由でLINEを敬遠してきた非ユーザーが一定数いたのも事実。「『電話帳は預けられない』という声が少なくないことは認識していた」と舛田さんは話す。

 そこで今回、ユーザー基盤が「一定規模に達した」と判断し、Facebook認証機能の搭載に踏み切った。ユーザーは端末固有の電話番号や電話帳などの情報をLINE側に送ることなく、Facebookアカウントを使ってLINEの新規アカウントを登録したり、Facebook上の友人をLINE上で「友だち」として追加できるようになった。

 「ほとんどのスマートフォンユーザーにLINEを使ってもらえるようになり、親しい人同士でつながるという“コア”の部分はできた。今ならFacebook認証によるユーザーが入ってきてもコンセプトがぶれることなく、サービスの“プラスアルファ”として存在できるのでは」(舛田さん)

「電話帳が意味をなさない国もある」

 Facebook認証の狙いはプライバシー対策だけではなく、グローバルに展開するLINEにとって、利用地域のさらなる拡大に向けた布石でもある。

 LINEの展開国は世界230地域以上に及ぶが、“知り合いかどうか分かる基準”は地域によってさまざまだ。日本のように、スマートフォン所有者の電話番号や電話帳に人間関係が表れる地域もある一方、プリペイド式端末が主流の地域などでは「電話番号が価値を持たない場合もある」という。

 「われわれが実現しようと思っている“人と人との距離”とイコールなものが、国によっては電話番号ではなく、場合によってはFacebookだったりする」(舛田さん)。Facebook認証への対応を通じ、これまでニーズを拾えていなかった地域に対しても「親しい知り合い同士でつながる」価値を提供していきたいという。

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