青空文庫に柳田国男「遠野物語」、吉川英治「私本太平記」など登場
著作権が切れた文学作品などを無償公開する「青空文庫」に1月1日、同日で著作権保護期間が終了した柳田国男や吉川英治、室生犀星ら12人の作品が公開された。
元日に公開されたのは秋田雨雀「三人の百姓」、飯田蛇笏「秋風」、小倉金之助「黒板は何処から来たのか」、西東三鬼「秋の暮」、妹尾アキ夫「凍るアラベスク」、土谷麓「呪咀」、中谷宇吉郎「雪」、正木不如丘「健康を釣る」、正宗白鳥「心の故郷」、室生犀星「抒情小曲集 04 抒情小曲集」、柳田国男「遠野物語」、吉川英治「私本太平記 01 あしかが帖」。各作家の他作品も公開に向けた作業リストに登場している。
著作権が保護される期間は著作者の死後50年。期間の計算を簡便にするため死亡の翌年の1月1日から起算されることから、保護期間が終了するのも元日となる。
青空文庫は、著作者の死後の著作権保護期間を70年に延長しようという動きに反対し、2005年から、パブリックドメインとなった作品を元日に公開している。
青空文庫の呼び掛け人、富田倫生さんはサイトで、吉川英治作品の公開についての期待が高かったことなどを述べている。電子書籍とタブレットが人気となった昨年は、青空文庫の利用者が増えたことを実感したという。
電子書籍ストアに青空文庫のファイルが公開されると「水増し」などと指摘されたことに対し、「仲間内では、以来、青空文庫を「水」と呼ぶことが流行った」という。「私たちの活動の目的は、著作権の切れた作品を、使い回しの効くテキストに仕立てて、社会の資源として利用してもらうことだ。四方八方に流れて、そこで人を潤そうと目指すのだから、水は青空文庫のあり方にふさわしい」
環太平洋経済連携協定(TPP)参加問題で、再び著作権保護期間の延長を要求される可能性が出てきている。富田さんは「だが、たよりなく、まどろこしくは感じられても、デジタルアーカイブでできることを積み上げ、たくさんの人とともにその成果に潤され、その意義を強く自覚することこそ、もっとも根底的な延長への批判たりうるのではないかと思う」と記している。
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