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「まだまだミクシィは終わらない、第2の黄金期を作る」──新社長が抱負、mixiはスマホアプリにシフト(1/2 ページ)

» 2013年05月15日 19時48分 公開
[山崎春奈,ITmedia]

 「まだまだミクシィは終わらない、第2の黄金期を作るつもりで取り組む」──ミクシィの社長に就任する同社の朝倉祐介執行役員は5月15日の会見で抱負を語った。創業者で「mixi」を育てた笠原健治社長は代表権のない会長に就き、新事業に専念。若返った新経営体制は「ユーザーファースト」を引き継ぎつつ、スマートフォンネイティブアプリへのシフトなど「第2の黄金期」に向けた取り組みを進める。

photo 社長を交代する笠原氏(左)と朝倉氏。新事業に専念する笠原氏は「まだ具体的にはないが、利益に貢献することはもちろん社会的に大きな意義のあるものをやりたい。簡単に思いつくものでもないと思うので、焦らず考えていく」

 朝倉氏は30歳。中学卒業と同時に競馬の騎手を目指してオーストラリアに渡り、帰国後は競走馬育成に従事したという経歴を持つ。東京大学法学部を卒業後、外資系コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーを経てアプリプラットフォームなどを展開するベンチャー「ネイキッドテクノロジー」の社長を務め、同社が2011年9月に買収される形でミクシィに加わった。

 朝倉氏は「10年前、1ユーザーとして愛していたサービスを擁する会社を統括する立場になるのは不思議な感覚。重い責任を感じるが、これほどやりがいがある仕事もない」と意気込む。退任する笠原氏は「大手コンサルティングファームとネットベンチャー社長という2つの立場の経験を生かし、冷静でありながら情熱的に物事を判断できる」と評価する。

mixiはネイティブアプリにシフト

 新経営体制では、社長兼CEOの朝倉氏のもと、mixi事業を統括する最高事業責任者に川崎裕一氏が就任する。川崎氏ははてな副社長を経てソーシャルサービスを手がけるkamadoを創業。朝倉氏と同様、ミクシィによる買収で同社に加わった

 笠原氏は新経営体制について、「朝倉新社長は前年度から、『ユーザーファースト』の提唱やユニット制の導入など社内改革を主導してきている。体制変更は、経営陣の中でそれぞれがより得意な分野に注力しパフォーマンスを最大化するための施策だ」と説明する。笠原氏は今後、新規事業立ち上げに専念し、取締役会長として新体制をサポートしていく。

 屋台骨となるSNS「mixi」は、昨年度掲げた「ユーザーファースト」を今後も継続。利用率でアプリはWebブラウザの1.6倍に上っており、これを踏まえてスマートフォン向けネイティブアプリの開発に注力。写真や日記、ゲームなど個別の機能ごとにアプリを提供し、全体のトラフィックとユーザー課金の拡大を目指す。

photo 各機能のアプリを用意する

 現在mixiが展開しているネイティブアプリは「mixi」本体と「コミュニティ」に特化した「mixiコミュニティ」の2本で、3月時点のダウンロード数は累計1000万件を突破している。今後アプリ数を50本に増やすことを目標に掲げ、アプリエンジニアを4倍に増加させるほか、Webエンジニアがスムーズにスマホアプリを開発できる環境構築にも重点的に取り組む。

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