参院選公示・日本初のネット選挙運動もスタート
第23回参院選が7月4日公示され、21日の投開票に向け、初めて解禁されたネット選挙運動の火ぶたも切られた。日付が変わった4日午前0時には、各党の党首がライブ配信を活用して「第一声」。ネット越しの視聴者に向かって選挙戦への意気込みと支持を訴えた。
午前0時に「ネット第一声」を配信したのはニコニコ生放送。与野党9党の党首による動画を同時配信。党首のメッセージに対し、視聴者からさまざまなコメントが投稿されていた。サイバーエージェントの仮想空間「アメーバピグ」では同日、党首がアバターとして登場し、選挙カーに乗って、仮想の東京・渋谷で“街頭演説”する。
ネット選挙運動は、4月に可決・成立した改正公職選挙法で解禁が決まった。従来は公示とともに候補者がTwitterへの投稿などを停止していたが、参院選からはWebサイトやブログ、TwitterやFacebookなどのSNSを選挙運動に活用することが可能に。政党・候補者に加え一般の有権者も選挙運動に利用することができる。
一方、注意が必要な点も。メールの利用は政党・候補者のみ認められ、有権者は禁止されている。候補者から支持を訴えるメールを受け取った場合、これを友人などに転送することは禁止となる。「密室性が高く、誹謗中傷やなりすましに悪用されやすい」ことが理由だ。選挙運動用のWebサイトや電子メールなどをプリントアウトして配ることも禁止されている。
「メール」は一般に使われている「SMTP方式」と、「電話番号方式」(携帯電話のSMS)が対象。SMTPとSMS以外の通信方式を使ったもの、つまりTwitterのダイレクトメッセージやFacebookのメッセージ、LINEなどのメッセンジャーは「メール」ではなく「Webサイト」に含まれるため、利用は可能だ。
また選挙運動を行う場合は、Webサイトに「電子メールアドレス等」を表示する義務がある。これはメールアドレスのほか、返信用フォームのURL、Twitterのユーザー名など、「その者に直接連絡が取れるものである必要がある」(総務省)。ハンドルネームなどだけでは認められないが、そこに貼られたリンク先のWebサイトに連絡先情報が載っていれば表示義務を果たしている、とみなされるという。
「インターネット等を利用する選挙運動」の「インターネット等」には社内LANや赤外線通信なども対象に含まれる。
選挙運動をできるのは投票日の前日まで、参院選なら20日まで。21日の投票日当日の更新はできない。ただしWebサイトなどに掲載した選挙運動用文書図画は投票日も掲載したままでOK。
誹謗中傷やなりすましには罰則が設けられている。選挙運動のために真実に反する氏名や名称、または身分を表示してネットで通信したり、候補者のWebサイトを改ざんした場合は刑事罰が科され、選挙権と被選挙権(公民権)が停止される。
未成年者は注意
公選法は未成年者による選挙運動を禁止しており、ネット選挙運動も例外ではない。総務省は、他人の選挙運動メッセージをTwitterなどでリツイート(RT)することも選挙運動に当たるとして禁止されていることを知らせるチラシなどで呼び掛けている。
同省は「インターネットが身近な世代だけに、保護者の監督も重要」としているが、TwitterやFacebookでごく日常的に行われているRT(リツイート)もシェア(共有)できないのは不自然な上、「保護者の監督」は難しい面もある。Twitterなど匿名アカウントが多いサービスで未成年者をどう見分けるのかという問題もあり、今後の検討課題になりそうだ。
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