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「ARは今こそ面白い」 スマホをかざして変わる世界、「もの みる うごく AR美術館」

» 2013年08月09日 15時35分 公開
[山崎春奈,ITmedia]

 NTTインターコミュニケーション・センター(ICC、東京・西新宿)で、キッズ・プログラム「もの みる うごく AR美術館」が開催されている。ARを通して絵本やイラスト、映像の変化を音声とともに楽しむ展覧会だ。9月1日まで。

photo モノクロのイラストにかざすと、画面の中でカラフルなキャラクターが動く

 メディア・アートに関わる企画展を開催するICCで、毎年夏休み期間に合わせて行われるキッズ・プログラムの8回目。今年のテーマ「AR」は「子どもも大人も直感的に楽しめる題材として選んだ」(主任学芸員の畠中実さん)という。

 会場には「不思議の国のアリス」の挿絵やモノクロのキャラクターが多数描かれた巨大なイラスト、絵画のようにも見える開花前の花の写真などを使った5作品が展示され、貸し出されるiPod touchをかざして画面上で変化するコンテンツを楽しむ。

 「デバイスを向けると画面の中が映像として動く様子はシンプルに見えるが、連動して会場内のスピーカーから音声が流れたり、実際に展示作品が移動するなど、裏側はかなり高度な技術を使っている。お子さんだけではなく『ARなんて知ってるよ』という大人にも、改めて『今できる最先端のAR』を体験してほしい」(畠中さん)

photo 「ARの国のアリス」。シーンごとの挿絵にかざすとナレーションと音楽が流れ、絵が動き出す
photo 「モーメンツ・オブ・ブルーム」。実際に開花の瞬間を捉えた映像を使い、つぼみの写真にかざすと画面の中で花が開いていく

photo 「ウロボロスのトーチ」。古代から未来への出来事が描かれている8枚のパネルが円状に
photo トーチ(灯り)をかざすように端末をかざしてARマーカーを探す

photo 「スマイル・ワールド」。数メートルに渡る巨大なモノクロイラストの一部がマーカー
photo 端末をかざすと、様々なところでカラフルなキャラクターが動いたり音が流れたりする

photo 「まやかしの立方体」。三次元には存在しない「超立方体」を立方体に投影し、360度好きな角度から見ることができる。画面の中の物体が動くのにしたがって現実の立方体も……?
photo 展覧会入り口のロゴもARマーカーだ

 出品作家の1人、白鳥啓さんは「技術者やアーティストだけでなく、デザイナーやイラストレーターと組んだことで、わかりやすく親しみやすい作品が作れた。ARはブームが過ぎた印象もあるかもしれないが、やりたいことや見せたい姿にデバイスのスペックが追いついてきたのは最近の話で、今こそ面白い。バーチャルな情報と現実の世界が日常の中で混ざっていくことへの可能性を感じてもらえれば」と話している。

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